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ふたりの遊歩道。
嬉しいヘッドフォン。
なぜ。
葬式を知ったから。
本当だよ。

フラットに頭に豚を放つこと　
彼女から太陽を奪いたい

いちじくのパフェに
ざらりと笑みふたつ

吹奏楽に馴染んだバター

くつ底に埋めこむ星を認めない

先生の悪気のなさに落とす羽

望郷をコンクリートにしてみたら

破られて皿のまっさらつづく日々

白鍵と黒鍵ゆびを組むおとこ

キセルして駅員室に天使たち

口蓋に海苔は古びた曇り空

かいた絵も手紙も飾られる死後を
彼の体はおそらく痛む

たいらげて夜中の汽笛だけ残る

地下鉄はぶつかり稽古し放題

どら焼きと
シーソーゲーム
僕が勝つ

点滴のリズムに黙す僕の影

ごめんなさい
ホールケーキが
弾け飛ぶ

障子から夏が滲んでいやらしい

黒煙が上がる泉であみだくじ

雷が顔にもたらす可能性

別れへと急ぐ銀杏に無理がない

「母の白髪を読み解きなさい」

信じれば僕らはピザの檻である

コンビニに埋まる骨たち
起きなさい

口元の父をぬぐって仰ぐ空

鍋の中もつれる麺を人々の
祈りのようと見下ろす夜中

黙るためペットボトルに口つける

呟こうあなたの夜にみそしると

日曜日。
ひとりのレモンアイスティー。
自分はすでに壮年らしい。

とても駄目、駄目だと思う
紫陽花のおのおのの放心を眺めて