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教室でいちばんまぶしい席にいる
打ち上げにぜったいに来ないひと

デパートの広告ポスター
そっくりに微笑めるひとの
泣き顔が赤い

FRIENDのENDの部分
全部ほしい、て言ったばかりに
増える瓦落多

恋人の言葉が遅れて聞こえて
く　る　よ　
イヤー・カフ・ホン・リング
絡んだ

逆の方向へ
枯れかけの豆苗に残る生活は
4LDKとは遠く遠く

もう生まれ変われないほど
擦り切れたたましいを見せて
驚かせたい

糸電話の糸毛羽だって夏終わる
リコーダーも
燃えるゴミ箱にしまう

潰したい面皰があなたの頬にある
勘違いされて告白される

「見ごろです」の看板の裏
ぼろぼろになった花びら
枯れないでいる

前髪が日に日に薄くなる後輩
わたしに憧れているらしい後輩

人生で初めて買った絵馬に書く
いつかあなたになれますように

「横浜市歌、
　本当に歌えるんですか」
はい、と答えて背筋をただす

折れた標識撤去されたっきりで
そうと知らずに出口から入る

優先席の無い車両に並びたい
譲られる側になった今でも

聞き返しても
もう言ってくれないんでしょ
耳から　音　戻す　方法

ドラムソロから始まったこの破局
もう楽しくてファズばかり踏む

多分このひと
何言っても「良いですね」って
言ってくれるだろうな、の綻び

太陽も気車もわたしを見つけては
おでこを撫でて海へと誘う

砥石と両親が下宿に来てくれる

ダサい服を
ダサいと思ってダサく着る
会いたいときの
おまじないである

この町の
知らない季節もなくなって
予感が予感でなくなってゆく

名前から愛してみよう
と決めたから
カゴいっぱいに詰めた印鑑

どの鍵も入る鍵穴
どの言葉でも泣くあなたに
わたしは錆びた

もし男であったとしてもすること
を女だからと言い訳をする

angel
Tシャツを着た子に殴られて
唯一神を名乗るのを辞めた

ターゲティング広告に
「地雷さん」と指さされ
ルンバに睨まれる

好きな寿司を頼ませてくれる父は
わたしに失望しているそうだ

長所を超長所にした自己PR
ミント五倍チョコミントが辛い

猫の恋
わたしはあなたに会いたくて
ヒトの鳴き声をずっと
ずっとずっと

二いいねで満たされた承認欲求で
恋人の椅子の埃を払う