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こんなに私は傷だらけです、と
のたまうことで
ようやく生きられる冬

何にでも名前をつけて
結局なんにもなれなくて
墓に刻まれて終わり

幸せになりなさい。
その言葉が持つ悲しみを
あなたは知らない

手入れされていない天国
塵一つない地獄
どちらにせよ私の足は傷だらけ

異常値を出して
ようやくわかるものなんて
まだまだ私に追いついていない

過去にかけられた言葉が
頭の中で再現されるたび
私は正解を出せたか苦しむ

ごめんという
赦されるための言葉がある。
だが、赦すかどうかは私次第。

見下ろしてばかりいたら
まわりはすっかり枯野だったし
道も見失った

夜の私は
昼の私がやったことを
何もかも知っている

眠るための薬を
半分に割ってはみるものの
夜は同じく濃ゆい青

天国がある救いと
それが永遠であるという恐怖

ひっそりとした夜に
名前も知らぬ茂みが増殖する。
そして、どろっとした朝。

抜けた前歯を抜けていく
姪のカラカラとした笑い声は
私の明日に熱を持たせる

闇は私の意識があるうちに
そこに存在する
私の胃の痛みもそのままだ

私とこの鶏は同じ命だ
私とこの百足は同じ命だ
私は何にも偉くないのに

行ったことがないところに
みんな行ってしまう。
それが何とも恐ろしいのだ。

血を分けるとは何なのだ。
おぞましい事実だ。
禍々しい始発だ。

食べろ　食べろ
そうすればじきに泣ける

タクラマカン砂漠のほとりで
リコーダーを吹く夜

猫の後頭部は
私を悲しみと懐かしさへ追いやる

あの夜の煮汁に映る顔は
私の知らない顔だった

市場で平飼い卵を買い
スーパーの卵のように食べる
そんな生き方が幸せだ

言葉は穏やかに口から燻らせる。
言葉は嗜好品なのだから。

くるぶしを照らす
夕陽の色が何よりも美しかった
手首の古い傷は自分への鼓舞