肩越しの夜景に神様は宿る
百葉箱があてもなく走り出す
想像の外の地を踏む秋うらら
十月のポインセチアは燃える馬
血管の内側にあの日から残雪
いち髪の匂い桃色の結界
子ども食堂の裏手の誘蛾灯
イマフレを連れて三途の川渡る
ストローがまだ夏を向く新学期
何れかの チュッパチャップス 月の鍵
人間の書類審査に落ちた蜘蛛
窓開けて風を呼びこむ 誰からも 拭かれなかった看護師の頬
ウミガメの涙を拭いてあげる時、 風は一枚のハンカチーフ
花野原出れば次なんてもう、ない
海溝の診察に行く聴診器
珈琲のカップに月が当てはまる
去年今年伸びるキリンの首湿る
雨だよ ここから見える私にも ここにいる私にも 等しく
水色の豹放たれて躁の街
会いたい人の 会いたくはない人として 生きていく、空があかいね
傷つきましたねと言われ月実る
薄氷を乳母車だけ渡りきる
メトロ乗る季節の軸に近づいて
真夜中の花屋のすべて踊りだし
夏は平常心裁断機
鳥渡るアットマークの知らん人
変身の仕方忘れる夏休
どの石畳も記念日反応
熱気球揺れて儚い草書体
パステルの夢の妹浮いて来い
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
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完全一致