砂漠から水色の旅を始めるの さみしい黄砂のような顔して
うつくしい溺死のように 花手水 あの手は何を殺めた手なの
遠くまで漕いでゆくため忘れるの 花の名前も櫂の重みも
窒息をすればするほど透けてゆく いちばん熱い氷があなた
啓蟄とポニーテールを結いあって
もう一度会いたくなって 水だけで妊んでしまう花園にいる
そんなにも怒っているの猫柳
いつだって誰かの息がくるしくて 天動説がすこしいとしい
変声がもう近いのね黄水仙
耐えかねて 生まれ変わった初夏の庭 あなたであった芍薬に会う
草臥れて うぐいすの背にのせてもらう
礼拝堂まりあの笑みに春霞
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