冬眠中毎日夢をみていたら
立冬の弱い散文止まらない
明るくて冷たいレモンの不穏さ
十六夜の月を斜めに撮影し
唇が輪郭なぞる秋の夜半
歴代の猫の魂盂蘭盆会
一切れが大きい母の煮たかぼちゃ
断って鰻をおごる土用入り
こけしは子消じゃないんだよ と言っても信じない人たち
カッコウの托卵ゆえの美声かも
飛び込むのならば緑のソーダ水
雨爆ぜる合羽黙々掘る現場
異世界は見渡す限り芍薬で
花冷えの一句できれば血は巡る
若草に犯罪の跡残りそう
春愁で明日の句会は休みます
春散歩花摘むように本を買う
涅槃図を絵本のように子どもたち
桜姫演じたひとと花の元
いぬふぐり親指姫の髪に挿す
福耳のその耳たぶが霜焼けで
裏街のひっそり流行る泌尿器科
紅葉の下ひた走る救急車
地下通路抜けて脇道文化の日
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