誰だってさすらい派だったねと サンドイッチマンの 背中がほほえむ
腹へったあ ゆえに我あり 塩ラーメン
駅に佇つひとりひとりの あの日の夕日
水のにおいがするねと 妻が目を覚ます 武蔵野の五月
ひっそりと 息さえせずにいられそうな 藤棚のかげで透き通る
花の雨 夢から覚めてみれば いつもの貧しさだ
花疲れした君のまばたきに 都の雨がやさしい
桜のヒップホップに背を向け 冬木立のジルバ
死にそこなったあの日から、 ピエロしてるんよ
死にとうなかった一休宗純 もう五百年も死んでいると 桜寂しげ
「男なんてさ、女を通して 自分を愛してるだけさ」 雪女が追ってくる
毎日つかう言葉なのに あんまり汚れてこないサヨナラ
今さら淋しくて桜に甘えに行く
花明かりの小道で うっかり妻に恋してしまう
折り癖の辞書のページに 若い日の恋の残り香
時は春、 しかもはかない若さなら
国家とか民族とか 言葉の蜃気楼の下 地を覆う無数の墓標
変な子供で、年号や方程式より なぜ生きんのか知りたくってね 無性に
噓つきと呼ばれて月に濡れて帰る
そんな目で俺を見るなよ 野良猫よ
誰かに話しかけられると 僕に張った氷が少し溶けてゆく 月曜の朝
詩ってね、世界を止めるんです そういうものなんです
美少女の一瞥は残酷 汚れた雪だるまは溶けるだけ
ほんとはね、銃や爆弾なんかより 言葉が人を殺めて来たのさ
一粒のフランシーヌ 地に落ちて咲けど 世界は殺し合う
私という笑い話。
冬の夕日が 淋しい体を通り抜けてゆく
人になりたかったマネキンが 背伸びして春の街をながめてる
思い出に住むひとに 雪だね、と言ってみる
笑顔が似合わなくて、すみません
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