首都高に 下降していくラメやけに きれいで偽物だって知ってた
旅立った靴から昨日 幽霊のゆめの席予約が入っていて
ちえのわのとれないところ 僕たちは英和辞典に憧れていた
もどかしい陶器のことを 打ち明けて泣いたあなたの 輪郭は 青
ポルトガルになるのね きみが好きだった 百合の香りをかばんにつめて
踊り子の 毛先 指先 つま先に 宿る音が雪に変わってゆくのよ
冬の夜に拾い集めた打楽器を 朝のデスクに並べてもいい?
みえる火をみないふりして 燃え方を知ればはじまる 音楽だった
間に合えばきかせたかった もう踊れなくなった アルデンテのリズム
アルビノのまなざしに似た光芒に 馬を知らない馬の順路が
つみあげた弱さすべてに署名して いつか浮かんでゆきますように
しろたえの液体となり 羽化を待つ ただ羽化を待つ 深夜のバスタブ
花石榴シルクの肌に染めていく 蝶々結びをあきらめてから
労働は労働のうえに成り立って 透明な水のうえも透明?
こぼれたのは栞 あなたの辞書にある 銃痕を剥がす目印として
ざらついた別れを食べて 舌先にひとつ 花束を与えてしまう
青色の サニーレタスが羽ばたいて わたしの生命にとどくまで
向日葵を剥がす いちまい、いちまいの 視界を覆ってゆく後夜祭
誰よりも照らしてほしい夜があり 月に向かって一駅あるく
のしかかる太陽が街をさらって 公園 まぼろしの蝉時雨
好きじゃないものから順に 真夜中へ進む ミックスナッツの儀式
内側のほうからちゃんと 無花果になるために 灯すテーブル・ランプ
ひとにぎりの夜でも アコーディオンみたくのびて、 両手でおせば鳴ります
炭酸の息づかい しゅらしゅらと鳴って 私ごと浮かせてほしかった
這うように便箋の上を泳ぐだろう 熱を隠したブルーテトラは
継ぎ足した色に名前をつけながら あなたのための庭は涼しい
どこでも行ける どこにも行けない 新宿の車窓 私を手放す速度
逢うためにのぼってくだる 都会でも今年うまれてしぬ蝉時雨
酷暑日を切り分けていく心地して これは涼しいほうの赤色
おさなごの道は満開 歩くたび 花にあらたな名前がついて
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