秋晴のティンパニの裏秘密基地
垂れ耳になりたい 九月、橋は晴れ
チンチラの砂浴び いずれ 月の音
秋の昼 浮腫んだ祖父はただ眠る
宝石を撒くステップで花の野を
秋の雨知らせるだけの木偶の坊
翔びたいと願ってしまう 人間に そらはあまりに 狭すぎるのに
一つ目の男が秋の夜にいる
八月の泥に なりたくなくて寝る
レイシストと眺める秋の海閑か
秋を待つあなたの本棚を見たい
団栗に満ちた発泡スチロール
野仏に名前をつける夏休み
向日葵の花 リクガメの足の裏
熱帯魚ぼってりとして常夜灯
励まされ何も言えない夜がある 夢を見るのはいつも朝方
教室でうなずくだけのオジギソウ
洗濯のまっただなかにある裸足
熱帯魚のいる部屋 ピアノなら弾かないよ
ペンギンになれますように 僕たちは 手を繋いでもゆるされたくて
留守番のインコが話す幽霊語
夜に似たアイスコーヒー浮気癖
そばかすはきりんの名残 ソーダ水
生まれる前 私の名前を嫌がった 祖父の背中を 覚えていたい
アイスコーヒー 星は湿度が嫌いらしい
限りなく秘密に近い駅長室
働いて、僕ら木製 あめんぼう
万緑と茶色い子犬の匂いが好き
ダンゴムシ迷路 突如として 祭
えいえんがえーえんになる 目を閉じていても 光を感じてしまう
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類
完全一致