空っぽの車両に冬陽の差し込んで つり革の輪をくぐり抜けている
君と過ごす冬はいつでも暖かく ブランケットに包まれているよう
冬の陽はレモンイエロー君と僕の 背中をすっぽり包み込んでる
からからとスーツケースを 転がして羽田の空は今日も青いね
ライブ観た帰りの車窓の冬夕焼け 君は最高の笑顔くれたね
海の見えるカフェテラスにて ホームズの続きを珈琲片手に開く
珈琲にミルクと砂糖たっぷりと こんなに愛した君はいなくて
頑なにくちびる閉ざしシクラメン 今日のわたしも君に逢いたい
夕焼けに明日があること 信じたい わたしの後ろに長く伸びる影
くちびるはシクラメンに似て やわらかくつぼみの多い ものを選んで
珈琲はいつもブラックだった君 わたしの中で溶けていく砂糖
君の好きな人にはなれず冬の薔薇 ひとひらふたひら散っていくのみ
悴む手缶コーヒーであたためて 冬の星座はゆっくり回る
冬の午後カフェテラスにて ラテアート入りのコーヒー のんびり啜る
冬土の匂いに満ちる法蓮草 しっかり洗いたっぷり茹でる
秋の夜エスプレッソの薫る部屋 もうすこしだけ君を待ってる
いくつもの恋を重ねてきたけれど クリームたっぷり苺ミルフィーユ
数えようとすれば蜻蛉の遠くなり 追いかけていく夕雲とともに
長月の雨はささやくように降り 和らいでいくわたしのこころ
朝顔の紺色ぱっと弾きつつ 昨日の雨を跳ね返してる
夕焼けに背中を押されまた一歩 明日へ近づく小さなわたし
おはようの手話をおぼえて さっちゃんにグーの手見せる 春の校庭
マッサージ師の指の太さに 任せつつ 吾は夢へと誘われていく
野良猫はニャン語で話し わたくしは 喃語で話す春先の土手
野良猫とふと目が合って微笑めば 春がそこから訪れてくる
仕事終え飲むコーヒーのほろ苦く 見上げる先の冬の北斗星
映画より君の横顔見ていたい ポップコーンを指で摘みつつ
やさしさがときには憎く君からの くちづけふいに避けてしまうの
ひとりで来る回転寿司のサラダ巻 スマホ見ながらぱくりと食べる
風花はわたしを抱いて溶けていく ころには君もいなくなるんだ
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