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バンド組みたかったもう一人の僕

プリン掬うように上京して桜散る

もうおじさんのヤクザではない刺
青に電気パルスが当てられ続け

風向計ぐるぐる悩みぐるぐるとし
ている頭に雷落とせ！

ガキとガキから生まれすぐガキに
なる

落ち椿母になれない機能持ち

神経の翳りパイプ椅子を組む

就活で何がしたいか分からなくな
って水族館にいました

　白線に
ぎこちない
　ぎこちない　
　　靴

またここの、
コーヒー飲もう
明日にでも
明日にでも
明日にでもでもでも

青年が夢から覚める草いきれ

梅雨入りのみんな帰って
猫みたい

花の香を吸い込んで踏ん張って蜂

にんじんのワッペンを縫う
子ができる

もう会ってくれなくていい赤珊瑚

捩花の拭かないほうが良い涙

初夏の大学病院購買部

生きている
人の祈りが遠くって
雨に打たれる建設現場

辛夷咲き大卒として家業継ぐ

つくしんぼ若さは確かに上を向く

外に出て
ママを解放する
僕の友達友達友達友達

カニの殻ぱきぱきぱきぱき授賞式

白日のライオンわかるよ君のこと

車窓には田舎しかない
飛んで出る
子らが忘れていった花々

春からすれば郵便は
鳥そのもので
少年を包む
草木のように優しい

神経のもつれに花火があって啼く

悪友
のような気概が足りなくて
花を渡せずに逝った人たち

あなたごと、
かみしみに濡れ噛み飽きた
ガムを包んだような自画像

院長がとにかくきつい
隣人もとにかくきつい
帰路のそば屋の日本がいい

椎の実を炒ってもらった
幼児期は
カレーが夜を良いものにした