収穫が重く引きずるように影
一人来て一人が帰る草いきれ
はち切れんばかりに芋虫の無邪気
僻地とは枯れて過密のつたかずら
人間も虹を作れる だが飽きる
蚯蚓鳴く来世は月が二つある
村人2みたいな日々の鰯雲
凶作の土より黒く虫の糞
なぞなぞを諦めて三日月のまま
たまに上る非常階段秋の風
透けるほどスライス輪郭が残暑
黄昏のカッターナイフ引き出しへ
ラテ欄の縦読みことほぎの長閑
どの瞼ひらけどもひらけども海
放逐の慌てて戻りたがる蜘蛛
肉眼に映らない八月十五日
霜の夜の誤字に修正液厚く
ペディキュアの動画字幕の独り言
靴紐をほどいて死のようなかたち
露の世を生きて感想でしかない
五月人形の期待に添えずごめん
鼻歌が始まるまでは焼け野原
虹色のこんぺいとうの袋詰め
冷し瓜つむじが見えるうちに抱く
巣立ちして欠伸 パン焼く博多駅
文字起こしできない 海のビブラート
秋の薔薇死に明暗があるように
ひらがなで喋れば呪文パリー祭
上澄みと沈殿物の五月晴れ
溶けてゆくようにうたた寝雨蛙
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