音域の届かないミモザになるの
舌先でふゆの木のモノマネをする
果てしなく花いちりんの夢を見る
口下手で梅のしたまで来てしまう
春の手の皴やわらかく言いなおす
夜を縫う糸になるからまたあとで
草の音に壊されるまであとわずか
この夜をひたすら葱に擬態する
僕の目といっしょ夏まつりの金魚
鍛練が足りなくてもずくにされる
水仙の咲けば出るところに出ます
山茶花の散りすぎているひとの庭
スイセンに満ち満ちている冬の脳
自堕落にそこらの花をうらがえす
白梅を仕向けることに長けている
秋雨にポテトサラダの胡瓜しゃき
そうすれば牡丹の部屋に着く手筈
十二時にメダカを放つだけのこと
ヒヤシンス同士だったと思います
筆跡が似ていて凪に後もどり
助六にいなされるおなかもおなか
差し支えなければ進化してほしい
寂しさに茄子が実っていたならば
マーガレットもマーガレットで 渦を巻く
電気窃盗 繭の柔らかさにいても
夏風邪のなが引いて記憶をたぐる
マシな日に柘榴の実る木がひとつ
水仙になってもいいですか疲れた
にんげんを水辺に誘う夜の声
生きたまま雪を歩けるふしあわせ
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