空洞のからだを野辺に診てもらう
サザンカの為にならなくとも笑う
直視することのできない梨が要る
おやすみはブルーベリーの脈拍で
梨になるための座学のながいこと
薔薇の咲く体になったころですか
花びらが自重に落ちていく夜を さわれずにいるきみの退屈
心臓が もち巾着のきゅっとなる なみだなみだの夜にございます
春が終わり、 夏が終わり裸足のきみ と 安全なエリアで波を聴く
初恋にカサブランカは揺れててん
春の日の暮れてしばらく 鍵を挿す音の速さに父だと分かる
梅林にあなたいつまでそんなふう
雲丹のこともっと知りたい春の昼
音域の届かないミモザになるの
舌先でふゆの木のモノマネをする
果てしなく花いちりんの夢を見る
口下手で梅のしたまで来てしまう
春の手の皴やわらかく言いなおす
夜を縫う糸になるからまたあとで
草の音に壊されるまであとわずか
この夜をひたすら葱に擬態する
僕の目といっしょ夏まつりの金魚
鍛練が足りなくてもずくにされる
水仙の咲けば出るところに出ます
山茶花の散りすぎているひとの庭
スイセンに満ち満ちている冬の脳
自堕落にそこらの花をうらがえす
白梅を仕向けることに長けている
秋雨にポテトサラダの胡瓜しゃき
そうすれば牡丹の部屋に着く手筈
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