自省することに責任を認める 落下している、種、泣いている
人妻の媚態は下手に空回り 長雨に陽が射し込んでいる
五つ目の小石を握る感触は 退屈の皮を被った孤独
カップルと三人で信号を待つ 青のサインが耳鳴りとめる
暗晦な海に赤色の煙は 染みる私の肺は引き攣る
配達の度にストレス値を上げる 歯科クリニックに駐まるテスラ
ほんとかな? 君は雨粒と言うけど 雨は針だと思う、痛いし
あの人のためにレクイエムを歌う ————— 独りにさせて、もう放っといて
闇のなか、人の子ほどの蛾は寡黙 曇りガラスに羽を沿わせる
ほんのり、海と花、ゴミ香るのは 霊長目のからだの神秘
十トンに踏まれて嵌まる小石には どんな矜持も残りませんよ
誰一人来ない倉庫の見張り役 挨拶したい 誰かおはよう
その街の信号は歩車分離式 彼のこころの 歩おいてけぼり
アスファルト 鉄が轟く音が止む 鳥が工場で子育てしてる
年下に浮かれてましたと言わせる 三十六の女の笑窪
髪の毛の痛覚を忘れた大人 日々の痛みは段ボール詰め
反省を促されたら 行き先は形而上学、数学経由。
重ならなかった時だけ思いだす 神の言葉とからだの重さ
また身体壊して呆れ、また飲んで 自己に引き摺り回される自己に、
雨が降る記憶がずっと続いてる 「おなか痛い」と呻く姉の眼
瞼のおく ガチリと鳴った 私はあなたとあなたの歌と瞑る
私たち、雪の身近さが違うの まるで違うの だからさよなら
今昔のコブシのつぼみの毛なみは 媚びず靡かずただそこにある
迷惑を撒き散らさずにいて どうか 寝たきりでいてくださいずっと
呼び鈴は 私を始める前にまず 世界を起こす 時差はゼロ秒
積雪の寝息に託す 肯定をやめると 朝が私を否む
否定して 左右に首を 強く振り 声を荒げる ような寒風
びしょ濡れの 太いうんこに 囁きかける 「裂けたっていい、 風邪は治った」
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