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ゆっくりと点描を描く雨
アスファルトの匂い
僕を孤独にして裁いた

あなたの
頑張ったね、が聞きたくて
無理をする

窓を打つ雨
出番を待つ傘
私を誘わないで

人の多いのを嫌うあなた
旅行好きな私
さてどうやって
口説こうか

図書館の棚には
君に関する書物が
ひとつもない

時間よ止まれって言ったら
時計の電池抜いてくれたの
君だけ

今日は、歌の無い曲を聴きたいの

ねぇ、早くしないと散っちゃうよ

生前の姉が眩しいから
三度目の春

墓参りにはまだ一度も

北風に晒す
どうだ惚気顔
拡散してみやがれ

謗られたソシラレソ

昨日の火照りを覚ますために
食べるアイス
思い出してまた火照る
私を愛す

髪を切っただけなのに
あなたに今すぐ
伝えたい衝動
髪を切っただけなのに

着物の躾糸
待ち人無いまま
とうに切れて

月が出てるね
あたし　もう酔って
あなたの肩にもたれる車内

今宵も紅を引く
私の名は
女

IHみたいに
ずっと一定の温度でいられたら
良かったのに

ハズレばかり引くあなた
それをはにかんで受け入れる
あなたを
愛おしいと思う

この線路をずっと辿ったら
僕は正しくなれるだろうか
正しくなれるだろうか

壊れなかったんじゃない
壊さないように
紡いで繋いで塞いでくれてたんだ

食卓に一人残されて

騒ぐコーラ

床の上　効力失くす　一万円

カップラーメンの麺を
フーッて吹いた
目の前のあなたが
いとも簡単に消えた

グラスに耳を当てる
ソーダのひそひそ声に答える
そう、私も疲れたの

蜜柑と蟹は
剥いてもらったことしかないわ
末っ子の精一杯の
箱入り宣言

あなたが心の底から
誰かを想って歌を紡ぐ時
私は嫉妬せず
その気持ちを汲むよ

君が
過去の誰かに向けて歌うときの
視線体温声色

終わってもまだ君を縛る人

そうめんって味見の時が
一番美味しい
誰かを想ってなんて
綺麗なものじゃなく

擦り切れたデニム
制服の下のジャージ
リストカット
長風呂
全部反抗心

おにぎりを頬張る君
世界一美味しい
空腹の魔法じゃなくて、と
君は頬張る