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外の光の透過と思って
灰色から景色を想像した
冷房の電源の光だったなんて

さっきまで笑ってたのに
急に怖くなったから
母のようにワインに手を伸ばした

開  いた十年の傷は
相槌でも膿むし、これからも

換気扇を回す
煙たい夜が出ていく

おまえという権威の魅力

シーツに作った大きな皺だけ
ドアから出て行かない

鎖に見せかけた檻

勿忘草は残るのに
私は静かに霞んでいく

コンクリートに飛び込んだら
緩やかな停滞は箱の外

春を焦がした夢心地の
ひざしを下にバニラ

ホルモンの愛の大きさ

ぽよんぽよん
満員コート弾みます
がたんがたん

いつものポールライト誰かが祈
りました

空という丸いパラシュートで
生まれ天を目指す

西日のカーテンで光を遊ぶ

木を隠すなら森へ
グリッター、幽玄では驕奢

あっ！
胸を指す頂
グレーテル
あっ！

強いこちらは彼のよしみ
隠すつもりなら雪の中へ
一粒とうに
分かっているだろ

４０度近く
わたしは水袋
ずっと焚いて
雪解け

全ての光源が輪を描いて
暗闇の真ん中 私を覗いている

歩き疲れ
冷えてしまった体を
温めるのは
あなたしか、いないのだから

あなたの天国は、
私の地獄
不揃いな怒り

ジオラマの上の観測者
私だけ不明瞭

微睡の曙 秋が弱く
もののあはれの
じりじりと炭化する体の内側
物狂い

搾り取られながら 真珠
まだ
この女は 保っている

一万円で
端から端まで
リッチの真似事
イタリアン

消灯前の寝室
三面鏡を
ぱたんと閉じておく癖

春秋が消えても
もものみなもと
で
在りたい

女はみんな
一歳頃から
魂を売られているのです

私は弱視です
せかいはやさしく
こころとりもどし
私は弱視です