白い紙吹雪を攫った春一番 君は海にも天にも居てよ
模倣がね得意だから僕はね トラモドキになって皮を残すよ
せめてでも あ から始まる名前なら 一番になれることがあったな
私たち時を回ったよコンピュータ 頭とつま先は結ばれず
笹舟は青い星の下泳ぐ 散る 記憶の源泉かけ流し湯
はたちでも花火は音だけ 見えている
赤黄青の花に揉まれ目玉ひとつ
モルディブの 垂れ下がる鼻が空睨む
左手が僕を見ているぴったりと 満員電車の窓は割れずに
寂しさを大きな口で受け止める
秋の暮 末っ子団子の敵討ち
止まっている雨を背に僕が は/し/る
月の雨 工事現場のワルツ聴く
「誰でも自由に読めます」は 風凪ぐ午後のポプラの木 辿る旅路
END1「それなり」に着く冬隣
何者でもない が悪口になる頃
意地悪と ごめんなさいと バイバイは 八分休符とスタッカートで
モクレンが咲かなくなって三年目 カップ麺を啜る祖母の背
雨の降る夜のカフェラテ 水死体
毒林檎 ここなら食べてもいいかしら
「嫌いじゃないけど」のけどに 刺さるとげ
坊は九月が黄緑だって言う 地面の音は何色だろう
10に1 天使が通るワンルーム 夏が終わるまで青い瞳で
「換気扇回して」「いいよ」 あ 生きてる
人工の水面繚乱 鼻をつけ 冬に恋する7の角部屋
蓮の花 枯れずに落ちずにただ閉じる
19らしいでしょ メロンソーダとくまのぬいぐるみ 夢見てないよ
肺胞のことを考え呼吸する ピーターパンはそう酷い奴
病院の匂いが嫌い 死の匂い たまごボーロ グミ コンロ カステラ
幸せな死に方だけを考えて コーヒーはカラン。 そして、融解
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