知らぬ間に 踵から干からびていく こころの渇れる前兆として
目の前の仔羊がまたメエと鳴く ぼくはあなたに嘘をつけない
固まったこころの端を尖らせて ことばに触れるための練習
止まぬ雨などなく光る水溜まり 泪もいつか夜空へ還る
傍観を決め込むぼくと加害者の 違いを今も見いだせなくて
八咫烏哭く 水面には鏡無く ぼくはあなたに騙されて泣く
艶やかな赤い林檎を囓りあい 遠くに悪魔の囁きを聴く
ゆりかごに ウィンナーワルツを重ねつつ 離れ離れのいもうと想う
バファリンを インドの友と分けあって 今日も世界はとてもやさしい
ぼくたちは ハリネズミとして生を享け 互いに傷を付け合うばかり
日常をたゆたう淡いしあわせを 黒く大きな魚が呑み込む
ハンバーグチキン南蛮エビフライ からあげとんかつ幕の内、さあ!
白色の花弁一枚一枚を剥がす 芯まで腐れば終わり
逆風をクラウチングで迎え撃つ 覚悟でいると横から ぼふっ
かみさまが シュークリームを降らさせたら 世界は胸やけするほど平和だ
ぼくたちは 抱えきれないかみさまと 所在不明の正義を探す
平和って シュークリームとおんなじで 食べたらすぐに忘れてしまう
核ボタン 軽やかに、かつ、感傷もなく 関係を断ち切る彼女
タマゴからなのか ニワトリからなのか 分からないけどぼくらは兄弟
ぼくたちの 祈りに対価があるならば それは誰かの不幸の証
ていねいな言の葉を積み重ねたら 人にやさしくなれるでしょうか
出逢うためではなく 語らうのでもなく 在るために来る物言わぬ人
背伸びして日照権を主張する 向日葵たちにも権利をください
何ひとつ疑うことなく僕のこと 信じる人を「母親」と呼ぶ
半分は水であるから僕だって いつかは海に還る日が来る
真っ白な侍者の衣が少年の 心の揺らぎも覆い隠して
眠るたび振り出しに戻る夢がある 今夜も生家の二階から飛ぶ
蟻のように列をなして群がって 砂糖一キロ百十八円
良い子だと持て囃されて 良い子では生きてゆけない 世に屠られる
後ろ手にタクトを隠し持っている 人ばかりいてマエストロ死す
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