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想いは
言葉になり、花になる
最後には何も残さない

しゅわしゅわと音を立てた
終わりの合図
聞いた者だけが続きを生きる

夜になったから
しゃぼん玉、飛ばした
誰に知られることもなく漂え

満員電車から放たれ
静かに丁寧に春巻を巻く

夕日に溶けていく輪郭を
そっと眺めて
いやに近い
波打ち際

パリパリアイスの地層の中だよ
オーパーツ
溶ける前に急いで

私のアルゴリズムなんて
お見通しなんでしょ
渾身のシーザー暗号も

毛布のような優しさの
内側に秘めたるナイフの先は
誰にも見えないね

たくさんの夢が立方体の中
浮かんでは消える
朝の爽やかさは
誰かの夢の続き

ワンプッシュした
クリーム色に染まる
よそ行きの私

目を凝らして探すけど
見当たらない真ん中
コンパスの針をさせずにいる

ゲノムのような外界に
組換えない遺伝子は何を見る？

しなやかに笑う
音もなく優しい笑窪の
墓を見た

ちりちり燃える煙草の
先っちょみたいに
勿体ぶってよ、いのち

望む変化のその先は靄
足掻けど藻掻けど
痒みばかりが増す瘡蓋

私の目は
半回転して像を作ると知った
新しい制服で
ホルマリン漬けを眺め

気がつけばシャローが遠い
歩くことを忘れた私の足に
水かきは出来ない

等間隔に刻むね　チクタク
信じられないまま
大人になって
もっと

空の真ん中にオリオン座
母に教えてあげよう
東京にも春が来ること

あやとりみたいな視線を
搔い潜れば君

シーラカンスは知っているのか
こんなにも儚い
豊かな脳に溺れた人類

私を照らす朝陽
分からなくなる境界
溶け出した
バターみたい
気怠い足跡

そう。待ってたそのヘルツ。
聴いた瞬間
思い出は
鮮やかにたちあわれるリアル

22時過ぎの新橋駅
抱えたリュック
忍ぶ缶ビール
戦士であるための
ドーピング

太陽のプリズム
ホコリすら雪に見えて
今まさに、吹雪

おちてる　おとな
力の抜けた指先から
こぼれ落ちたのは
現実か時間か彼自身か

皿に残ったケチャップが
いつか見たモネに見えた
今日は日曜日

夢を見ていた
気がつくのは
36.5度の私

駅のホーム
君の声ふと思い出す
風が吹いた
私の耳に届くのは
アナウンスだけ

スプーンにふちどられた
昨日のケーキは
少しだけ固いね
いちごはもうない