駅中のトイレの匂い消すために 春は少し遠回りする彼
秋晴れに散ったメダカの水槽洗う
涙が引いた後の匂いのする土 そこに繁茂するシダ 夏の虫が慰める
ジャガイモのシルエットのある 秋ポテチ
はんじみん駅前カツドウ 蚊に刺され 陽の沈む速さ慰めたりする
通勤の間に挟まる子連れ雨
深夜に北極星のごとくエアコン
アフロたんぽぽ男 が死んで 早10年
スカートを 巻き上げるよりもまるで夏
ビー玉をなぞって夏の夕方の朱
アルジャーノン秋はまだ在るって 右翼かな
波の音きしむ濡れ髪伏目がち ありがとうって 日差しに紛れて
下田にも30メートルの津波が あのホテルすら攫ってゆくいつか
ふろしきで 届いてチンする白樺の花
あだちたろうより伝言 損失は 気にしないごとに大きくなる
笑える と呟く心とジャミワクロイ
フランベを して夏終わるようになら 覚悟決めてまだ動かないのに
アルタイル積乱雲を渡ってけ 祭りの醒めない熱を邪魔して
ヌーディスト パンツの日焼けのよく残る
あと少し あと少ししたらやるからさ 花の香りの静かな流れ
水滴がプリントに輪をかいたとき グラスのジュースが薄まった
座席下見れば一昨年の広島
雨は降る 貧乏ゆすりに童顔で 心の襖にだれもいなくても
のたれじのカニ三兄弟ここ眠る 日焼け跡さえ似てる夏座敷
五月病つぐむアジサイ青二歳
ほうれん草みたいに新芽が 出ている庭木
満月の香りだけ掛かるマットレス
恋色を残すばかりのちりざくら
ふかふかに守られて良いね木の芽
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