愛執の街に霧降るアジマの忌 *吾妻ひでお忌 10月13日
波題目荒海に浮く御命講 (弘安5年10月13日 日蓮聖 人入寂)
コクトー忌秋虹の根に阿片窟 (1963年10月11日没)
かげふみの影のまま蛇穴に入る
秋茄子俤の裏の紺を呼ぶ
亡き妻のハンカチ翳す月の駅
十月の登檣礼に傷を縫う
さんまさんまいずれ我が身の炮烙 (ほうらく)の刑
月光に「俤」という字を学ぶ
シルバーの肩で鸚鵡鳴き秋彼岸
敬うな蔑むな竜胆の青
回想はいま蛹の強張り吾亦紅
はかまいりゆくみちふさぐわれも こう
苞葉に段なす回想我朮鬱金(ター メリック)
曼珠沙華(マンジューシャカ) 辺獄に生きる三倍体
卒哭忌待たず日暮れる花野です
十日間夜毎続きの夢、残暑。
月命日トルコ桔梗のふちの青
身を裂いて咲く濃紫牽牛花
「妻を待つ」回文のみの我が晩夏
向日葵の折れる形に祈る人
眼を塞ぐ血に虹見えず荊冠旗
亡妻(つま)眠るざくろの木陰夜 の秋
羊水に還るひかりか日向水
さよならと言えよ化繊の蚊帳吊っ て
きみもまたここからのいのちせみ のあな
月命日片蔭に棲む幻肢痛
黒点を失くした犬よ片かげり
亡き妻の声近似する智利素馨(マ ンデビラ)
納骨堂(クリプト)に蒼く聖鐘ひ びき夏至
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