山朧指を濡らして土筆摘む
春の腕令子忌に測る血色素(ヘモ グロビン) *片山令子忌 3月22日
きみに会えた月命日の夜だけど ぼくの夢だと気付かないきみ
冴え返る花客に灰の水曜日
月命日アスパラガスの袴剥ぐ
雛あられ受ける左手の欠損指
嘆きの谷ミモザの花の散る深さ
メタファーの窓に届かず二月尽
野の石を涅槃像とし巣箱に匿す
春の闇死児たちの弾く曼徳林(マ ンドリン)
納骨堂(クリプト)に溜まるエー テル春の暮
春寒の親指姫の頸の痣
仔熊座の柄杓の歪み余寒です
月命日ミモザの花のこぼす錆
困難と不幸は違う冬すみれ
探梅よ骨敷き詰めた道を行く
月光を凍らせ束ねて献花台へ
大寒にポストトゥルースの遭難者
生類に淋しみの令寒の雨
ジェンダーの境界に置く寒卵
七日はや夢に汚れた獏の鼻
水晶球黒酢で磨く年の暮
数え日に未読メールのまとめ消し
︎ありふれた減価償却年忘れ
halcyon days,妻を 眠らす冬の凪
冬夕焼ひかりの素足に履く木靴
白い猩々木(ポインセチア)月命 日の白い窓
冬紅葉人の記憶の残り方
冬囲無声独居のグリーフワーク
夕べの聖鐘マフラーの巻きゆるむ
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