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りんごろごろごろ
赤い鈴
びいどろどろどろ
透けた鈴

三角形のつり革
朝晩二回、週に五日
おかあさんの手
何回つないだっけ

ひとつくれるって言うなら、
ふた匙目融かして

代々橙大大大好き
大体代替大腿骨
譚ただ田だった
タイの鯛多々一位タイ

燃える尾ヒレのまま歩く
夏、雪、ブレーキ痕
一つ前で曲がりたかった

裏返しの靴下の
裏返ってない部分
みたいに気まずい

ポケットん中
無いボルトを弄ってる

笑いころげる
ころころがりん
透明のからだ
ころころがりん
ころころがりん

手を離した
穴はあかなかった
ずっと、ぬるい海水が残っている

目玉焼きに星そそぐ春
あ、ささくれ。

煌々と 沸騰する涙に触れたい

振り向かない足跡を
ただなぞって、熱い

溶け合えない哀しみを
寒天と分け合って

心臓を
ぺちぺち撫ぜるスパチュラが
けむり濡れては
食むおじぎ草

免罪符食べきっちゃった
から、かろく
星は落とさず褪せていく

助けてくれよ
世界のすべてが好きなんだ

痺れる指先からこぼれ落ちて、
羽ばたく

ぬるくて 重くて やわらかい
あなたの心臓みたいな泥濘

大丈夫
私の目だけを見てればいいよ

おはようディセンバー
蜂蜜と琥珀の違いを教えてくれた

未練をひとつふたつ残してく
置いていかれる年が
さみしくないように

白んだ空の香り
油絵のでこぼこにひっかかって
百年私を待っている

熱くて痛くて
生まれたての星みたいな心臓

わたしのおにいちゃん
頭ひとつぶん神さまに近い

いぬの残り香がするくぼみ

奥歯の単身旅行
ポップコーンの不発弾さしこんだ
振り込んだらしい三千点

不器用に涙拭う雨

わたしたち
ラーメンに浮いたあぶらみたい
目も合わせず指絡ませた

埃をかぶった夢とか希望
デフォルト設定縦書きの
Wordだけが知っていた

欠けた爪の隙間から自由