ほっぺに隠した言葉が 瞳からあふれてる
さふさふと マッシュルームを切る音が好き
地に足をつけて宇宙に浮かぶ人
路面電車に雪だるまを積んで
「好きだよ」の 言葉はあげたものだから 返事はいりません
その駅で乗ってきたのは 冬だけだった
水色の空に透けるように そこにいる 月のようにやさしくなりたい
時は無音で過ぎてゆく 怠け者に悟られないよう
あとはそこで微笑んで 新春(はる)を待つだけの鏡餅
夕方のグラデーション 空はどこから夜になるのか
まだ焼けていない夕方の空と 大福みたいにすべすべの月
鼻先に咲いた知らせ金木犀
うっかり氷を作りすぎちゃった 夏も君も、もういないのに
秋が降ってきたので衣替え
中秋の月に見られる私たち
夏が悪者になりませんように
お月様の電気が点いたね
いつだって真ん中が我慢する
せっかく素麺なのに 夜空が騒がしい
富士山の太陽に近い神様の避暑地
桃は隠れていても桃 口の中で見つける芳醇
涼しさの色を辿って凌ぐ夏
夕焼けの隙間に降る雨は 薄桃色の絵の具のように
扇風機に張り付く宇宙人 西瓜でもてなす
夜は海 波にのまれて眠りたい けれど取り残されて 水面に浮かぶ海月のように
寄り添うなんて 他人行儀な距離感で 装ってないで ぎゅーってしたい
小さく、ゆっくり、になっていく 母は母のまま スヌーピーの杖をついて
紫陽花が泣く暇もなく梅雨が明け
問い合わせメールの返事 待ちくたびれてあずきバー
祈るのが恥ずかしくて 代わりに床を磨いています
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類
完全一致