水色の空気を踏んで春隣
熱の手を シクラメンへと 置いてみた
青い不倫そこに畳んでおきました
不義理するフジタが 吹いている葛湯
両親は夢に喰われた 僕は雪
どうしよう母の隣りに母が居る
缶詰のなかは清潔クリスマス
泥沼をさまようごとくブーツ脱ぐ
クリスマス飾り圧縮すれば黒
闇を来いポインセチアの前で待つ
誠実な対応でした雪しんしん
蜜柑山に蜜柑が育つもう寝よう
北風とフランスパンを軋ませる
しょうゆ酒みりんを抱いて冬の星
白鳥を水の旗って呼びたくて
ごく細い巻き尺ひそむ鰯雲
梨捥いで家までずっと顔伏せて
おとなしい林檎ばかりの渋谷駅
月光のはつかとどまる耳の穴
前身頃うしろ身頃の間の秋思
地図には在る店なんだけど 月光
秋気せりあがる目のふち爪のきわ
シャツ干すは鳥捕るに似て芋嵐
立秋の上履きのまま降りる庭
前の世の月の浜まで松林
きぬかつぎ 女みたいなことばがぬっ
目を開けて 目を閉じてこのあたり秋
感情の表皮細胞へとラムネ
もう淡い火曜日のこと水芭蕉
童顔で筋肉質よ七月は
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