蝉の声に君が気付いた日から夏
裏返したら意外と光る
花々の内緒話を聴く
ちゃんと形を整えてから綴じる夜
めいめいにひかる明日を探してる
過去は振り返らない主義 クレマチス
気配だけ残して消えたまるい猫
どこまでが春でどこから君なのか
コンビニもやたらめったら春の味
泣きながら宝石になるはずだった
思い出の中でも勝手に歌うひと
微睡みの奥に沈んだ恋ひとつ
春色の服を買ってはみたけれど 似合わなくって3センチ浮く
足りなくてまだ足りなくて チョコモナカ
溢れ出す睫毛の先のラメ(小粒)
ああ、多分ここで小人が踊ってた
対岸で歌うあなたと目が合った
どうしても 通奏低音になる死にたさ
野良猫のように貴方と距離をとる
可愛いと可愛くないの往復ビンタ
噛む痛み味わう痛み飲む痛み
目の奥で 少し弾けた ショーウィンドウ
もちもちの 柔らかい顔した悪意
よいひかり わるいひかりを 見極める
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