鉛筆のうつった手刀でうなじ削ぐ
綿菓子の 事なかれ主義が 気に入らない
こっちきて。 鎖骨の下に抱きついて。 鼓動を景色として眺めてて。
吸い殻に擬態している小人らしい
君に棲む睫毛を揺らす精霊と 目が合ったから 「あなた」と呼んだ
自動車がびっしり走る街だった 塔から仰ぐ雲のきたない
あの女子を畜生道に堕とせたら きっと銀毛の猫だと思う
そして、もう片方を探し続ける。
雲の下 ボトルシップを自覚して
指狐 エレベーターが気まずくて
裏切ったな血小板のフリをして
本日の品書き 檸檬を目でなぞり あの日の視力をおもいだせない
湿気せんべい そこにありをり食べりぼり
消火器が不吉で電気を点けて寝る
花見酒 薄めるつもりの俄雪
ツチノコの餌にとっとけ紅生姜
僕の幸せを願い続けてくださいね あなたの不幸を悲しみますから。
葡萄とか檸檬のあとにひらがなを
ピンクだけ春の空気に慣れている
僕たちはあの世で二択を迫られて 前世を忘れる同意書を書く
学生証切れたら道に水芭蕉
トンネルを抜けても日常、 サイゼリヤ。
このホクロに気づかないまま 死ぬとこだった!
満月を餃子の皮にできるひと
幸せがバレないようにホルン吹く
海底に駐車して青色の君
ティラミスの布団でむせる無神論
生えかけた十一本目の指を折る
ペンシルに指輪が鳴るから左利き
ティッシュでちんと鼻をかむ。 そんな夢だけ見ていたい
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類
完全一致