過去の作品検索

今夜の君は上機嫌
狼に会えたらしい
馬乗りで猫吸って情報過多

静かな覚悟を決める夜
おせちとおでんと
ペロペロキャンデー

年賀状が物語る
張り付く笑顔を捨てた数

聴きたい声に限って音沙汰なし
アイスが食べられるか
呟いて　微笑んで

毎年悲しい晦日の気持ち
仕事納めや肉の日横目に
ひっそり壁から外される

雪化粧は綺麗
箱に入った土産物も綺麗
上野の行列に礼

句読点
感情の落とし子
惨状の迷い子

夜中に響く笑い声
きょうなのか
きょうぐらいはゆるそうか

「液体の猫が欲しいの」
赤ちょうちん前で呟くなって

街路樹のグラデとイルミ
自分が作る霞の相性で
カフェの注文を決める

初日の出富士山を目指して
歩き始めるんだ
黒い腕時計を気にしながら

したり顔ってフレーズが
気になりすぎる
ハシビロコウを目の前にして

いるかがいなくても
きっとあなたに
恋していたに違いない

ふぅーとため息をつく
七五三前夜
折り返し地点の共有
いろは坂みたいね

「人見知りなの」
マンモス校で言ったところで
カチューシャネズミのため息

ベッドの隙間で
歴史は作られてきた

台湾で買った緑油精は
懐かしい理容室の薫り
銀色懐炉と杖が助手席で待ってる

けんけんぱを見て
「好々爺」はあるのよね
婆ちゃん誕生を祝う会発足

珈琲の残り香より
ナビからのッタッタタタ♪
昨日あの人還ってきてたね

友人が誰も来ないだろう
遠方の墓はいつか眠る仕様
自分のために植樹しよう

青と桃雲が混じる夕やけ
高層ビルの叫びはまぶしくて
満月を隠したくなくて

西の夜空を見上げるレンズ華
キラキラおめめ拡大してる

オノマトペ好きだよね？って
箸袋で鶴を折りながら

フォントの好みを聞く先生

線路からのきしむ音が
酷暑の嘆きのようで
透けるシャツを仕舞い始める

遮熱レースカーテンからの
むぁ～～んは
満月の怒りも含んでいる

銀杏並木が青すぎて
煌めきも孤独も閉塞感も
流れ星に託せない

後悔するたびに
嘘と英語が上達するね
水分の抜けた青い紅葉の様に

８年以上勉強したのに
「貴女が幸せで嬉しい」
笑顔で伝えた言葉はこれだけ

僕は思ってた！って
身勝手　知らんて　
言って　頼って　もう秋だって！

また眠れない長い夜
ぬいぐるみとコーラを抱えて
あの子がスキップで来るから