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水もなく花もない瓶　青白い
朝の光も受け入れずに

扇風機　布団に残る僕の跡
ずっと一人で見つめてたのか

ひとつだけ
明かり残して呑みに出る

星降らす中東の夜
原罪はこの痛みしか感じないこと

注　恋愛は必ずしも愛し合う
ことの同意ではない。

また汚れ始める部屋の壁に這う
ちいさな蜘蛛は清らかな虫

友達と言われるたびにケーキ飲む

夏草の中へあの子はいったから
鍵盤を掻き分け冬の夜

盗撮で捕まったって、返信は
不要と書いたラブレターの子

歩き出す他人の足を見て進む
ゼブラゾーンと南京事件

人類が絶滅すれば公園の
動物たちの石化が解ける

瓶を置く、
造花を入れる、水をやる。
僕たちだけの、日向の中で。

やさしさが
シンギュラリティ起こしたよ
バカなぼくとも話してくれた

サボテンが
枯れてしまった
から食べた
なぁお前となら暮らせたんだよ

この部屋は無人になれば日が入り
誰も動かず窓辺へ陰る

(沿線は桜ばっかり植えてある)
そう見てるだけと知るまで春

この部屋で僕が泣く日も笑う日も
俯いているスタンドライト

子供らが先にサンダルを履きだす
僕たちは先・生になれない

僕たちは兵士だったね不正解
のチェックという切り傷がある

倒されたトルソの砂漠を進むよ
望むことしか意味はないから

くっついた磁石に生を感じてた
自分が男だったからだな

寄せ鍋の茹でられている大根と
同じ顔して子供らは待つ

ぽ、ぽ、ぽ(木魚は続く)
ぽ、ぽ、ぽ(奇も偶も無く)
ぽ、ぽ、ぽ、ぽ、

誰なのか知らせなくても
バスはただ
にんげんのため少し傾く

三月の夜の青さを押し上げて
黄色くひかるテーブルランプ

全身が麻痺した彼へ葉が落ちる
百億年の約束として

皮膚科待つ冬の僕らはそれぞれの
傷の形を服に隠して

「おまかせ」を色んな店で
頼んでも
父と似た髪ばかり仕上がる

しゃかいしゃかい
しゃかいしゃかい
暗闇の運動を聞きプリントを待つ

神様が言葉を分けたらしいけど
あいづちはみな似たようなもの