春の星動物園に人多い
災害の日は増えてゆく初こよみ
眠りから覚めて蛙の葉書来る
アイアンが引っ掛けている ハンチング
年の瀬の溝に吐瀉物放置され
初仕事硬き寝癖を手懐ける
木琴に粗雑なスペル春の雹
春眠し百均に埋め尽くされる
AIに惑う初代の初音ミク
オリオンの棍棒の真下の私
橋という橋悉く鮫を焼く
うつ田姫便所サンダル履き潰す
失恋を椿の下でした二人
全種族集う会議の 代表として 人類は詩人を選ぶ
夜泣きする児を胎内に戻す冬
湯湯婆を作る家族という他人
族長は蜜柑ジュースを取ったらと
去年今年巳年にうんこ干からびる
白熊の透明な毛を見て猫は 透明熊と名乗れと言った
父さんは大きいけれど アフリカの 象や麒麟の方が大きい
自動車に乗ってる やつは威張ってる 自転車道を遮ってくる
目一杯苦情処理したコンビニで 木星を見て充電される
献血の車の人の話では B型以外血が足りてない
脱皮した服を袋に詰め込んで 街に置き去りにする人々
ワラビーと カンガルーほど違うけど 同じ人だと思われている
新札は使えませんと繰り返し 言わされている新入社員
スパルタな父の息子は這い這いで 四十二・一九五キロ
海外に暮らすパンダと本国の パンダとの差を園に観に行く
複眼と言うのだろうか子の語る 詩的言語を読み解いてゆく
子育てに勤しむ親に隔てなく 神は与える二十五時間
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