虹の帯ひとすじ放つキューピッド
夕暮れを待ち受けにする AIと付き合ったらよい
新しい虹に履かせる 靴下に とても弱そうなネッシーの顔
水馬の匂い捕らえる初老の父
紫陽花はちいさな森みたいに展く
湖の向こうにごつごつした桜
トトロ くしゃみして緑蔭また揺れた
着膨れて甘い匂いのおじいさん
ガーベラの首を優しく絞めてゆく
キャンドルは緋縅蝶を灯している
蜥蜴は警鐘みたいに脈を打つ
星月夜に水を掬んで 両の手は とてもちいさなプラネタリウム
スイートピーが頬を彩る 故郷の貴女の声は弾んできれい
心臓に似た 青い花の覆い尽くす海があって そこには故人がいる
天の川の涙は流星群になる
バイアスに覆われている朧月
心臓はみんな緋色で山躑躅
文明が終われば 月は海に落ち 泳ぎ ちいさな波紋を残す
春の月 パペット人形を抱きしめる
小川には光の脈がながれゆく 君とは月の話ができない
東北の夜の帳は 少しだけ知ってる夜の匂いと違う
出世指になりたくて 赤ちゃんが足をうごかす
未だ異常気象 透き通るゼリーを噛む
星ひとつない晴天に マシュマロの 表面だけを丁寧に焼く
赤べこのちいさくゆれて風光る
カクレクマノミが桜になってゆく
モネの匂いを クリームパスタに絡める
腫れる瞼は宝石を落としている
きらきらと ツインテールが揺れている となりの人の指が気になる
片恋は終焉 如月の朝を小雨で彩る
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