光射す きみは素粒子だったんだ
お化粧はもうやめちゃいなよ 未来ではくらげを素手でつかむ らしいよ
幾千のはぐれた言葉つみこんで ひとつふたつと船出する朝
イントロで流れはじめる組織液 春を知ってることをおしえる
振り向けば雨 いつだって あの子のいないところが世界
口紅をぐりぐりに塗るそしてすぐ 湯船に入る 忘れたままの
棒アイス 食べたら消えるものだけがほしい あいつは来なかった補講
飛行機でクラシック聴く恋人の 凄い速さで移動する耳
玉葱の繊維断ち切るごとに雨
眠れない夜は卵焼き くつくつと焼けば くつくつ音がしている
壊れてる体をのせた ハイヒール かわいいおもちゃは あたしのものだ
食べ過ぎた自分も 好きと思えたら エンドレスポップ 光ったりしない
脱色の眉光らせて家を出る 私が夏のいいなづけ
いくつかの三行のメール 空白の多い姓名だったなら
晴れの日にでんぐり返りする予約
訪れは風のあとにでもあるはずよ 今はつつじのピンクでいてね
君はからだをビカッとさせて 僕はあわてて海へかえした
真っ白な一日などなく 壁の蜘蛛見ながら食べる作りおき
薄光る駐輪場の隅うつす 君のスマホにだけいる天使
お湯が沸いたから 日差しを揺り起こす 八月はもう来なくても朝
「ざびえる」の名前呼び避ける 同窓会
息ひとつ 意味を帯びない石を積む バベルの塔の土工に降る雪
鼻と鼻つけて秘密は海底のにおい
八朔をばりりと剥いて 涙目の 守られた生にくちづけをする
五番線ホロホロチョウが参ります この東京で薪の火尽くまで
大みそか だけど食べたいインドカレー
日曜のフードコートは この星で 大家族だったころの食卓
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類
完全一致