湯ざめして翅もがれたる痕かゆし
冬の辞書文字ども衤着だす
ダンベル置けば手に鉄匂う雪催
宣戦布告文にもエロバナーあふれ
錨投げる鎖は火花散らしつつ
旅人が白鳥の影を売る
煙草着けつつ敵国の民家焼く
寝台特急月光浴びて鰭欲しがる
風葬を言葉は全て蝶となる
虐殺文法買う塊肉を売る代わり
ギター背負って疲れた街を行く
輸送機の腹開き魚卵ほどに兵
信号無視して黄落に止まる父
QRコード読み込んで以降魚の夢
ソファにぽつんと 漂着物めく うつ病の 微笑の 君
帰園の二人 浜焚火へまた偽の地図放る
似た子供たちが 被爆地の逃水からぽこぽこと
コントラバス鳴るたび 気泡生むサイダー
雪の日のあなたの影として生きる
鯨が鳴くと 死んだ仲間の骨が光るらしい 君の背骨が光り始める
君の「うん。」は 海風の檸檬
死が光であった頃 心臓のような檸檬を絞った
国境の涸れ川を徒歩冬銀河
鉄琴の余韻のように春の雪
咳止めに麻薬含まれ雪の華
雪解光の結晶としてあなたの手
薄暑なり献血の血を移す音
浜辺で貝を避けるみたいに踊る
スーツの就活生が逃げ水に溶ける
海を描く 汗がその一滴となるまで
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