銀河をすくった貝の内側に 誰かの記憶が光っている
くちばしが文法を拒んだ日から 空は曖昧
群衆に希死念慮の我 扉に似る扉となれず
あぐらに慣れる前にうどん来る
裸木に管理番号われにもあらん
国旗疲れて春風にただ相槌
芋煮を遠く浅瀬に酔の手を浸す
君の掌をこぼれ柘榴は神代の火
キスして噛んで 浮輪のように空気抜く
スーパーの安き第九や黒豆買う
己が影をも欺くラガー
絵を抜けし馬真暗き海を滴らす
生という檻 洞窟の壁画に吾を見つけ
雨や人は絵具のように溶けて虹
生者には影許されてしゃぼん玉
冬の虹化石は水を懐かしむ
枯芝にチェロ横たえて寝ころべる
湯ざめして翅もがれたる痕かゆし
冬の辞書文字ども衤着だす
ダンベル置けば手に鉄匂う雪催
宣戦布告文にもエロバナーあふれ
錨投げる鎖は火花散らしつつ
旅人が白鳥の影を売る
煙草着けつつ敵国の民家焼く
寝台特急月光浴びて鰭欲しがる
風葬を言葉は全て蝶となる
虐殺文法買う塊肉を売る代わり
ギター背負って疲れた街を行く
輸送機の腹開き魚卵ほどに兵
信号無視して黄落に止まる父
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