嘘をちりばめたものから光るから あなたたちには夜を教える
想像もつかないほどに愛されて 亡霊になるすべを持たない
目を覆うために放した風船に かわいい名前をつけてしまった
泣いていたせいで主題のわからな い映画はすばらしく透明で
泣いていた気がする人とすれ違う 生まれ変わりを信じあうたび
波のように やわ(らか)なものすべてには あなたが建てる堤防がない
雪だって確信できる結晶が こわれるようにため息をした
みつめる、に 意味がいらない関係に なりたくなくて星座になった
うつくしいため息つがい冬生まれ
後ずさるものに差し伸べる手だけ その街では白いものとして
ずっと笑っている方の残像を撃つ
次に会うときは被食者なのだから なるべく健康でいてください
星の名を借りずに生きていける人 ばかりで講義室がまぶしい
丈のながい想いが裾を引きずって 会いに来るたび抱きしめている
きみの骨から遠ざかる熱のゆく先 でもそれが熱であるよう
はきだしたわたしが 譜面の中にいて あの九歳の子が弾くらしい
思い出をストローで貫く過労
きみだけが 去らないまちのサーカスへゆく 足取りの青い残像
天国の座標が定まらない奇跡
渡されたカンヴァスに 数字だけを書く 信じていた時間が長すぎて
可愛げの権化のままで死なないで
風になることを許され ひとりずつ、窓から落ちる 頭を下に
ひっこめた喉から わたしに還るので うまれてすこし 声がちいさい
ともしびを こぼさないよう抱えても もう重くないあなたの寝息
幻覚は延命のたび花まみれ
心臓がじょじょに痛みを忘れたら ねむれるたびに怖いでしょうね
残機から逆算しても会える人
滅ぶとき、 たぶんあなたは光るだろう そういう魔法が好きだったから
埋まらない 白紙生まれのうさぎたち
撲滅をせずとも生きていけるから 死ねないような傷をつけあう
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