花を焚く横顔死後に見えないや
断りもなく落雷、そこからの愛 はぐくめるなら 生まれてください
故障ならみんな許してくれるのに 躑躅をいっぱい摘む人件費
昼間には幻をみるほうなのに 生家の窓辺でキスをしている
耐えがたい日々を とどめるようにして 言葉が花のように平たい
ねこみみにあこがれながら 生きているぼく に姿見を、もてるだけ
幸福のよいんのようななきごえで あの鳥が花を降らせているの
盲信のためにあなたは生きていて 終わるまで編み物をしています
たくさんの国旗をはきだすように してマジシャンはせせりを食べて いる
その橋をわたりきれない声たちが 光るぶんまで手をふりたいよ
六日目の朝には みんな泣いちゃって おまえが海を思いだすから
これからは 名前でよびあうことでしか あなたをみわけられない国で
かんむりにきみの名前が刻まれて 春は優雅に立ちつくすひと
無花果に教えるひとはいないのか
さわれない花から順に水をやる
祝福にひとつも錘がないせいだ きみが夜中にぼくと会うのは
サーカスの夜からねむれない日々 を祝祭とよぶみじかい余命
ゆびさきを思い出すほど溶けてい く雪のあなたは盲目だった
白ばらの摘まれたあとをふりかえ り雨は春からさえぎっていく
マジックの種を明かして帰るたび あなたの部屋が遠くなるよう
花壇からはなれるきみの名札から ふりがながなくなった春の日
思い出のいちばん高いところから 掬いとる手はいつもふるえて
むせている背中を一度だけ抱いて きみの教室からは出ていく
きらきらと跳ねたらにどと戻れな い海が光を抱きしめている
おちていく幸運ほどに気が抜けて 春のクレープ屋の前に立つ
このくらい 愚かなのかもしれなくて 目をそらした先にある鏡
嘘をちりばめたものから光るから あなたたちには夜を教える
想像もつかないほどに愛されて 亡霊になるすべを持たない
目を覆うために放した風船に かわいい名前をつけてしまった
泣いていたせいで主題のわからな い映画はすばらしく透明で
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