溶け残ればうつくしい心臓 加速する
泣き顔を対向車線にだけ見せる
黄ばんだりするのだろうか たましいも
2号車にまもなく春が参ります
家電にはない感情で抱きしめる
喧嘩した夜シーラカンスになる私
赦されるために重ねるパンケーキ
てのひらで半濁音を羽化させる
天使へも届くだろうか赤紙が
号外のようにばらまく刻み海苔
水を くしけずるような夜 南半球が ほんのり歪んでいくね
永遠の棚田のようなあばら骨
犬が月に行きたがらないのは 月に行ったことがないから。
指先で崩す専制君主制
葡萄齧ればよみがえる情けなさ
うつくしく傘をさすひと 冬を標本にしたようなネクタイ 締めて
柘榴歯で割ればあなたの organに触ったように 舌は痺れて
肉体を失くした夏がゆるやかな 岸辺へ放つ Au revoir.
ナップサック絞れば 霧ヶ峰のにおい
花びらをつまんで逃がす2Fから
冬が来るほどに生まれる マトリョシカ
天窓で光が立ちすくんでいる
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類
完全一致