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忘れるために愛するキセツ
この手は龍の鱗に触れてみたい

詩のない場所で
くつ下のかたほうをみつける

海がこわい気持ちが
わかるうちは
上唇にさよならをぬらない

心の白さを叫ぶ時
あかぎれの溝に日が沈む

わたしを呼ぶ、
その声はブルー、
角砂糖はまだ、眠れない

おい、野良猫
お前の名前とあたしの名前
交換しよう、今日くらい

丑の刻
あなたと窓辺で詩集をつねる

希望の匂いが心を引っ掻く

こころと風が話す日々
くちばしで、詩を啄む

天空は
わたしに何度もブルーを教える
「ありがとうっていっておいて」

たえまなく、
レモンの輪唱をきく
わたしは、私を捨てに行く

この世のどこにもなくて
マフラーの中に
白い息とあるもの

あふれ出る
ことばに名札をつけ
空を匂う

自分を許してあげたいので、
猫の腹と地球儀をなでる

父の肩ぐるまで
星を掴めた、あの時

遺影は
鶯色に塗りつぶす
ワケなんて教えてやんない

今夜だけ
天国で寝かせて

帰っておいで
こわれた心
ここに、帰っておいで

愛と鞭というけれど
鞭じゃなくってナイフがいい

「ごはんができたよ」
お母さんの声がなつかしい
お母さんがなつかしい

神様が欲しい時
わたしはニンジンを甘く煮る

わたしを
誰も知らない星の名でよんで。
そしてきっと、ふりむかせて。

出口を探し歩いた
そして自転車の鍵みたいに
わたしをどっかにわすれてきた

ねこはわたしの夢をみる

あなたの匂いが消えるまで
洗い直す
セーターも心もほつれていく

わたしをころしてごらん
きっと血は青いから

公衆トイレに映るわたしは
人を一人殺したような顔をした

遺書には
知る限りの花を描く

すべてあのままにするから

はやくかえっておいで

今日は、
世界中でたった一人になりたい