待つ途端時の流れは滞り 沸沸と待つ。 レジを待つ。 待つ。
悠然と模範の波紋が繁茂して 織り成す風をしかと見つめる
サファイヤのまばたきの音 したためた衣 羽織れば風が染めゆく
孤と独の隙間に這い込む色彩を PDFで保存しておく
安寧の橋架かるとき舞い込んだ アオサギの脚を目印にして
ポイントを利用せぬまま 燃やされる ドナー申請する間もなく
「アルミはね金より昔 価値あって」 三度目はしんどい仏じゃないから
首都高が毅然と唸る夜のなか サラダ油が茄子と煌めく
光凪ぐ森の香りの泡すすぎ 白樺二片でエナジー掴む
すり抜けた可能性を引き上げて 家系啜り今日に沈める
鶏卵がレバニラ大陸縦断し オークに到達するまでの二秒
鏡壁を太平洋に建立し 永遠にする最後の人類
ハブられて月に世界を 創造すミーアキャットが 林となって
風船が割れて唾液が着陸す スカイツリーの最先端に
わが庵に遮断法人Est.して 音と体がないまぜになる
桜散る音をひとひら受け継いで 光の匂いを吸い込んだ夜
地球から脱出果たす 百人の富豪の上に 千匹のチワワ
透明であることを誇る楡の木が 眼科犇めくビルに囚われ
イデア融けさなぎのなかの ビッグバン ひかり紡いで現し世に放つ
「5分以上回して戻す」 運命に 逆らう諸氏を育てつづけて
生命の名残を削がれ革になる 渇いた河で交わす約束
あるあるを蔑むわれのゆく道を 麗かが断つ ひとりでねむる
間違えて担架を切って宙になる 靄詰まる胸世界になって
百億の雨粒は地へゆく刹那 灰色の 街をそれぞれに映す
溶かし飲むキャラメルプリン風の チョコ 人生風の時間のなかで
岐路にさしかかり続ける あくるひも 白光るナイキ箱を出ぬまま
本のなかビワハゴロモは うつくしく 手足触覚なければいいのに
空何処とけゆく体捩らせて 腸へと下る胃の中の蛙
やわらかに光る世界を吸い込んだ きみの吐息で扉がひらく
室外機招き入れ猫とまどろむ 夕陽のなかで蚊を握り殺す
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