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チューリップがいつのまにか
全部落ちた
いない間は何色なの？

片側の髪を耳にかけた
あの人の
聞き覚えのある声が聞こえる
ような

舞い上がる綿毛を吸いこんだ
花言葉などはあなたが作って
喉の奥で咲かせて

綿毛を飲んだ
私は吹かれてばらばら
たんぽぽが立っていた

悲しいを思い出せないくらい
たのしいとうれしいを
もらったの。

色がやたら濃い葉を掻き分けて
あの花この花嗅いで回る
落ちた蕾の萼は星型

一瞬で消えた花の香りは
仕方ないから
忘れましょう

くしゃみと引き換えに
嗅いでみたい
知らない花の散るところ

画素数が少ないみたいな
無限に高くなる天井を見て
影送りなどをして眠る

やるせなさに
苦しくなっても
声をしよう。
私と心をしよう。

コーンスープの缶を
両手で持って
微笑みあう
ちいさいふたり
ぽかぽかふたり

幸せ
家族でトランプをすること
楽しいねと笑い合えること

立ち返る
思い出す
聞こえるは爆音のマドラー

最大火力の可愛いを持ち出した
家は今危険です

学ばぬ私が
ほつれてしまう前に
なおさなければならない

火星と木星をみた
じろとじろと見た
ぬぬとぬぬと見られた

たくさん笑った
いっしょに笑ったら、
もっとたくさん笑えた

お母さんと星を見上げる

前を歩く子が羨ましかった

暗い。
指先で
隠してしまった。
光など。

声をするあなたは
頬の抜ける微笑みと苦しみ

感情をしたいです
ゆっくり
感情をしたいです

冷たい空気と湿った芝
火星に向かって伸ばした手で
花びらを掴んだ

「ごめんねバイバイ」は妙光に。

膝を抱えて二日
膝と膝の間に頭が引っ掛った
花の在処を
私は見ようとした

昨日と同じが快い今日
のはずが
いつもの道で
あなたに会えるか期待していた

インフルで
風呂出て息切れ
祖父思う

あなたのすてきな笑顔のおはよう
わたしも精一杯すてきにおはよう

香りが先行する花を探して
吸えば
幸せな忘却と
朦朧

言葉が作った
絶縁体の向こうには
毛布の幸福
あなたのほほえみと
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