誕生日としてあなたに訪れる
本当は一人もチャリで来なかった
僕が僕に飽きないように濡らす石
SNSに日記を書いて どうですか わたしの手負いの鹿の暮らしは
風がよく抜ける部屋だな テレビに出て お金をもらう想像をする
明日はまた 夏に戻るという 地図が 本当に合ってるか 確かめたい
働いて生きるというのは楽しそう 午後から天気が崩れてきそう
マルジェラのタグは 取るべきだった
涼風を夜の小部屋に通すたび 秋は酢豚のように濃くなる
葬式を見たい 自分のならば なおのこと
喉に泡くぐる麦酒の八月尽 僕らは死の比喩を繰り返す
覚えてる? 席替えの星 覚えてる 畳のスーパーマリオギャラクシー
ドアノブを 舌を這わせるように持ち 卵のように右に回した
箱ふたつ並べて これがバスの停留所 体を自由にさせて
どこにでも人はいるから 寂しさの研究の進捗どうですか
銀鹿のああ駆けていく 傾いた晩夏に ある劇場の閉館
人間のカーテン それにくるまって
狼のコラージュは完成しない
「コインランドリーぴえろ」に 本名聞きにいく
晩年の粗茶は身のこなしが違う
青色の魚の素を入れましょう
海ねむる かなしい春の 海街の 地上の カサゴ釣りするわたし
生活費のことを訊ねるオーナーに わたしは砂時計で喩えた
人間を星に喩えて 舞台から見渡せば ああ 目が並んでる
便宜上男の役は男性に 稽古場の畳のやわらかさ
清く寝る犬の お腹に手を当てて 温度の幽霊を取り出そう
六月の午前三時の砂浜に 陶器のようなわたしがいます
支配される欲望の水銀めいて 夏の演劇に不必要な感情
田園に細くたなびく灯の遠く 駅の機能のひとつだろうね
ひつじのこと ねこと呼ぶのは ここじゃない友達といるとき 夕まぐれ
詩
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