夜道ふと笛を纏って行く神輿 常世と現は背で触れ合って
月光のようなひかりに冷やされて ぼくを待ってるハーゲンダッツ
ひとつずつ 脱がせるように会話して 赤子の頃の君に会いたい
風に乗せ 大きく回す紙袋 私はワタシを不幸にしない
愛された記憶が月明かりとなり わたしの海を優しく照らす
おはようと蛇口に告げる どの朝も 自分でない朝などなくて
泣かないでって慰めるとき ぼくはただ エゴを押し付けてたんだろうか
水面に映るぼくらは 抱き合っていた 日差しに取り囲まれて
シャボン玉みたいに二人の友情は 壊さなくては ふれられなくて
軽やかな人と冷たい人の差を 巡らせながらスープを混ぜる
ああ、きっと あなたは恋をしたんだろう 前よりそっと椅子に腰かけ
誓わずに好きでいたいな 夏休みの王国を一緒につくろうよ
夢に出てきてはじめて 好きだったと気づくみたいな 春の雷
本当はパピコではなく 身体ごと分け合いたかった 遠い夏です
幸せが怖い 癒えない寂しさを テディベアのように抱きしめ
照明を灯して生まれた 新しい夜が 静かに息をはじめる
溶け合った恋人たちの魂のように 琥珀が朝日に透ける
胸のゴミ山で見つけた本心を 子猫のように抱き上げた夜
夢の浜 打ち上げられて足指で 砂地のようなシーツを撫でる
どうでもいい話ができる人だから どうでもいいと思えなくなる
消灯で夜にのまれたワンルーム 輪郭のないふたりを混ぜる
寂しさに気づいてほしくて、 会う日にはいつもきちんと マスカラをした
濡れ髪で落ちる夕日を見る土曜 旅するように暮らしたいんだ
台風の車窓は水族館じみて 鰯の群れのような水滴
押し並べて 渦巻くコインランドリー まだらな時空の標本として
使わない レターセットは積もりゆき 銀世界にて息を呟く
水底に散らばるおはじき キラキラと 幼い日々は眠り続ける
深刻と誠実は違う そのことに あなたが気づく朝を待ってる
もう声も思い出せない口癖を うつされてたこと 今気づいたよ
追憶の色が滲みし紫陽花の雫は 誰の涙でしょうか
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