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｢シャットダウン｣って
なんだかこわい。
スリープ・再起
ノートパソコン。

ユーミンの好きな季節 想像する
後部座席の揺れ 心地よい

安心の請求額
一万円
後部座席の揺れが愛しい

午後三時
北向きの部屋、薄暗く。
ぬるい仏間の景色を懐う。

｢なんにもない。｣って
言ってた二十代のきみは
でかい夕日を見て泣いていた

砂の入江の守り人が
夏果に聞く
町のリゾート化の噂

聞いてもいない
投資の話をするきみの
足元にたんぽぽが咲いてる

AirPodsに響く
ぼくの心音の
拍に合わせ、猫の背をたたく、

食卓は囲むものだ、と、
独食にカレーの匂いが
なんか合わない

雨の日の蝶々みたく
スレスレを
フラフラぐるぐるしてる
七月

別に楽しくないこと考えてみる
すぅ。って
呼吸音だけ 深海。

静寂の音が聞こえる
雨の日の蛍光灯に
SFを感じる

机につっ伏すと肺が動いていた
あの子も肌の下はグロテスク

書店のバイト代14万円
低空飛行のモンシロチョウ

文庫版 ｢あらしのよるに｣
夕日影
隣の夕飯はカレーらしい

安心のの前借りをして眠ってる
雨雲はぼくにきっと優しい

窓際で夏の魔力を吸い込んで
出来上がった青色の色水

蝉声と児童のはしゃぐ声を聞かせ
モンゴルの君に夏を教える

憂鬱の下で潰れて眠ってる
昨日も今日も、明日もたぶん雨

深夜だから十段目から飛んでみる
立体駐車場の階段

祖父が居た実家を
どうやら手放すらしい
窓際でチューペットが溶けてる

微睡んだ部屋の外では
暁を連れて嵐が通り過ぎてく

駐車場に落ちていた貝殻は

春の嵐の音がしていた

カウチソファ
寝っ転がっているきみが
｢蜘蛛は益虫｣
そんなの知ってる

台風の目に象とぼく
寄っ掛かり合う
真空が解けるのを待って

輪郭を重ね合わせて
はみ出したところを切り取る
｢よいこの作り方｣

失せ人探し 町内放送の声吸って
住宅展示場は賑やか

プーさんの傘さす児童右折して
住宅展示場が明るい

原付の君は左折の標識に
住宅展示場の蛍光

そこの人、
ぜったいヤクザだよね。って
走馬灯のスタート切るあなた