陽のなかで花かんむりを紡ぐゆび きっと春とはこんなひとだと
からだとは骨が豊かになることと 祖母の古びた教科書で知る
白色を青色に塗りまちがえて 決まりきらない春を抱く夜
月も日も空の色もみな変わっても ローディング 60パーセントのまま
猿がシェイクスピアを打つように きらきら星を奏でた雨垂れ
食材に興味はないけど 調味料あつめて 味にこだわっている
奔放に並んだ巻の数追って たしわりかけひき ゼロに帰す
設問に語り手の意をさがしても カレーも昼寝も出てきやしない
フローリングでひとり すべってしりもちつく 楽しさといったら
飯よりも酒残すなと祖父の猪口
散らかった部屋を 現代アートだね、と きみは笑ってコーヒー立ち飲む
ざらめ雪あつめてみがく大理石
無人の博物館には たくさんの気配がある
いちまいの画用紙に かぎりなく立つ 無数の壁、壁
レトルトカレーの クミンシードが泳ぐ朝
寂しくないって、 淋しいことかな
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