過去の作品検索

現代的な速さについていけなくて
落伍しそうになるけど
その夜見た極光は吉兆

窓を開けると吹奏楽の音がして
もうすぐ夏だと感じるよ
紫陽花と一緒に笑う

遠い日のお前は俺の脚を刺して
見下ろしてくる
笑うでもなく憎むでもなく

涙色の私をあなた色に染めて

あの日言った
「大丈夫だよ」
という呪いの言葉
そっと川に散華して
さよなら

毎日聞き惚れる君の声
日々増すごとに
好きになる
夜、星を見て
君の詩を書く

あなたが作った
ご飯が一番美味しい
その一言で
毎日当番でもやれるのさ

誰もいいねしてくれなくても
書けただけであんたすごいんだぜ
誇りなよ

深紅のそらに発つ轟音
かの両翼の標す
らせん雲の軌跡
光輪のマルドゥーク

愛の先にいるこども
会えるように
いのりを捧げる　初夏

こころバッキバキに折れてるけど
生きようかな

自己の内から湧いて出る
「それでも」を
勇気に換えて
身を投じるしかない

一端の男だと
胸を張って言えるよう
忘れていた努力を
もう一度始める

久しぶりの一人旅
用意するもの
されるもの
ああ、そうか
君が足りない

僕の知ってる
春を全部ブーケにして
渋谷で待つ君に渡す
始まるって幸せだね

新生活
始めた筋トレ
筋肉痛
いいじゃない
にやにや笑う

それでも
陽だまりのような
光景をくれたのは
あなたなんです

言葉すら
届かなくなったら
俺は
ただの瓦礫

なんで君じゃなきゃ
だめなんだろうね

よちよち歩きの桜道
あなたの歩く未来が
どうか明るくありますように

今年の四月も泣いてるね
涙色の散り桜
傘にこぼれた花弁のガラス

あの人のやすらぎになりたい

あの人の
首に巻かれて
暖めたい

あの頃の俺と君は
夕暮れの陽に絡めた指
そよぐ風に
祝福されていた

思い悩む
自分の言葉
届くのか

俺に
惹きつけるような言葉って
書けるのか

見せてみて
あなたの胸の
いちばん熱いところ

異形の恋
さよならの後も
囚われて

俺が屍になったら
空に放り投げて
クロユリのブーケトス

如月の人魚姫
歌声を失わなくても
想い人と
添い遂げられますように