白夜卒業証書空より降りてくる
聴診器外す音色を取り戻す
檸檬水風が止んだら帰ります
洗い髪星眺めつつ診療所
紙スプーンで ゼリーと木漏れ日を掬う
手を振ってバンド解散する立夏
透明な傘の雨粒白躑躅
2種類の国旗はためく花水木
譜面台を持ってきて置く青嵐
新緑のどの樹も空を指す剣
森林の底に椿が落ちている
いつか別れる風船を夜に放つ
卒業の日の青空の透けている
風船を空へとはなつ結婚式
シーツ敷くとき翻り初桜
夜が明けて潜水艦がしずんでいく ようにゼリーの中はとうめい
手術室に繋がる電話冬菫
月冴えて仕舞う学芸員の椅子
踏み台に乗り立春の手術室
ホットケーキに押し返されて てっぺんのバターがすべり落ちる 春愁
ふたつめの信号変わり冬の星
月光が廊下を照らすボストンの 地下鉄の自販機の痛み止め
息白くここは夜空が透きとおる街
伊達巻のしゅわっとくずれゆくあ ーあ
体育館より声援を聞く今川焼
背もたれに白衣の置かれ初時雨
知らない街の冬の図書館 本棚を壁の名画のように見上げて
オリオンより遠い わたくしたちの家
雪催オートミールを温めて
銀杏並木に光さすから学校は 世界のはじまりみたいな夕べ
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類
完全一致