かなしみに 名前をつけて会いに行く
さみしげな君の瞳の中にいる さかなの群れがまっすぐ泳ぐ
かなしみに 触れないでいて最初から 右手はグーで左手はパーで
吸血鬼 やっぱりきみをたべてみたい
マジックリン おねがいぜんぶ消し去って
目薬の上手に差せない夜である。
歯車が 狂って生まれたポップコーン
「たましいには輪郭がない。」 という教科書
精霊の吐息でできたサロンパス
泥になる 針が降る おやすみ
空っぽのプールの中で目を覚ます ような欠伸でのそり目醒める
体温が沸騰してもそれだけで 熱にもなれない星にもなれない
ここじゃないところへ 行くのね遊覧船
やさしくなるために あなたをたべている
脳みそに積もった埃を取り除く お掃除係の小人たち呼ぶ
水鏡そこに薫りは満ちている
星屑のタイツをそっと摘む朝
こうやって、 星をはんぶんこに分けて、 飲み込むことで生まれる引力
砂時計の中身 こっそり持ち出して 世界でひとり魔術師になる
あやとりで 天使の輪っか編むひとに ひかりを灯すひかりをあげる
箱の中に入る からだを折りたたむ 最後にそっとくちびるをかむ
粛々と林檎を食べる園児たち
茂みからぽっと飛び出す星の子が ヘッドライトに照らされて死ぬ
満月が 溶けてきているそう言って プラネタリウムをつくって遊ぶ
おねだりをさせてくれない夏の川
浜辺にはあたしの輪郭だけあって ゆっくり離れていく影の行進
磨いても光らないから割る鏡
朝、君は砕けば硝子になるのか
深呼吸するための廃墟をさがす
さみしいとき 硝子の花瓶に這った舌
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