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積乱雲　水になって　　　落　下
　　かき氷　溶け出た蜜は　赤

フラット35   組んじゃった
　家の吹き抜け窓から
流れる　雲

繋いだ手は
夕闇の被膜を　　探している
次の一歩で変わる　景色

階段　踊り場に糸蜻蛉
踏まれ乾いたコンクリートの上に
悠久の時と　化石

豪雨の信号待ち  
青は揺らいで玉虫の翅

二人で開けたれんと
歩く夜道はE♭m7
もうすぐ明日が来る

夜を駆けるペダル
街の切れ目
不意に立ち上がる沈丁花

私の母は
リュウグウノツカイになって
深海に行ってしまった。

春の雨
濡れた道路は
玉虫の背

　肉を焼く漢の火加減
舞い上がる　
　オイルミストは今宵も床に

こぶしを開けると
　　あらゆる繊維がアーカイブ
　　　　　湯中のあなた

びゅーっと伸びてきた睫毛

　　もうすぐ世界をこじ開ける