両手を上げて眠る君の 安心感に安堵する夜
君の死後も生き続ける携帯電話
抱え切れない哀しみから 逃れるために 人は忘れる
蓋をした哀しみが思い出せない
成功よりも 祈りのある人生を 送りたい
私が恋してたのは あなたじゃなくて 満月の下での 甘美なあのキスに
君を失うより痛いことなんて もうこの世には残っていない
君を失うことに比べたら 産みの痛みなんて 逆によろこび
すべての楽しみを 延命措置みたいにして 君のいない日々を生きる
整いすぎてしまった世界の、 ほつれ髪を見つけて萌える。
夢に出てきた泣いてる君を 胸に抱いてやるしかなかった 明日墓に入る君を
静かさに残るのは生の余韻 昨日まで生きてた君の
あなたのために紡ぐ言葉なんて もうひと言も残ってません。 おやすみなさい。
この哀しみに意味などない あってたまるか
私には、言葉がある。 私には、書くべきことがある。
静寂をゆり籠にして眠る二十四時
溶けた体を取り戻す 日常という名の殻
蟷螂の道路につぶれて冬来たる
母の顔は猫も人も同じ
現実に飲み込まれた大人の 言葉のつまらなさ
負の連鎖はぜんぶ 自分のとこで止める という心構え
それでも、空だけは青い。
自分の位置を確認する 明け方の散歩
きょうもすべてのひとに ごほうびのじかん が ありますように
鈴虫と蝉の声混じる夕暮れ
風に吹かれて揺らめく蜘蛛よ。 生きてるの?死んでるの?
ヒグラシの 声のベールで 明ける早朝
ワンクリックで 捉えられない一瞬を 掴もうとして 言の葉を探す
哀しみに対して不感症になった心
「リスクをちゃんと考えて」 と言うあなたが一番、リスクです
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