あの人の心臓を
語尾にぶら下げて歩き続ける

友情から充足と理解を引いて
不安を足したら
幸せにみえたらしい

大器晩成と言われ続け
相変わらず大器晩成のまま
晩成はいつだ？

休日に
マスク探して
一万歩

時間の止め方　検索
二月の昼

丸まった背中に骨を浮かしつつ
君が学んでいる博物誌

立つための足で
あなたが立っている
　雪原
あなたという冬の骨

噛む檸檬わたしは夢の中にいない

手で作る蝶をゆっくり崩すとき
まぼろしの夏草が光った

隕石のかけらと言って渡されて
あのラスク
ずっと食べられなかった

眠らないままでここが海という
噂

電信柱果てて
ここから星の街

地球儀は丸すぎて嫌ソーダ水

動かない身体
どうやら冬桜

日々のほとり
まだ眠りから覚めないで

雨降る町で
懐かしさの
花見
スイセンの涙が
一滴の活力

数列がクサビになって
白紙を彩る
世の一般項は
デタラメばかり

二つの飛行機雲が
交わって浮く
「譲り合い」の
バスの中

年越しからは逃げられないよ
新年は時を越え
宇宙の闇から
やってくるんだもの

年越し免れた人
挙手  ノノノ

【黒魔術クラブ】
のビラの貼ってある
メタセコイアのつむじの冬陽

青空に嘘みたいに雪
死んだ人に
信じられなくて電話する

樹は
言葉にゆれ
動けない
樹になれない
わたし

死にたての小鳥の
ようなホッカイロ

辛い時には冷たくて
暖かい時生ぬるい
それが雨

雨がいちばん憎らしい
あの子の心を持ってゆくから

逆立ちの思い出
つまり地に足がついてない
私らしい

疲れた体深く息をとる
あなたからの手紙を閉じるように
ゆっくり空をしまおう

値引きのトマト
傷口から夏の匂い隠せない

生煮えの金魚 
鎮痛剤を鱗が拒絶するならば
愚かな空を水面から
ユルリと刺せ

野良猫の消えかけた 
縞模様に 
ひどく共感する空は巨体

ささくれをシンシンと名付け
冬の暮

何回も言ってるけど電話は嫌い
距離を超えてまで話したくない

好きという感情は水
沸騰もするし凍結もする
蒸発も

燃やすための国旗
ほとんど二色刷り

火でも沸く電気でも沸く水　無傷

水でみたすための器でない体

塩舐めて海になる　体は眠ってる

パキラが
水を吸ってくれて
助かる

くるぶしまでしか
海を知らない

ピンで街を
刺さないと留められない地図

わたしたち陶器みたいに遺族です

犬ではない。
半透明じゃないからね

よろこんで棺に顔を刺繍する

あんみつを額に乗せて悲しそう

「先方が不死身になればいい話」

寒い　顔が平面になりそう


プレパラートは理科の授業

もっと



あとずさりすれば全部見えるよ

自爆燃料ビール三杯

犬が言葉を持ったなら
犬を飼うのをやめるかも知れない

ガード下　安い飲み屋に
集う人
みんな荷物を下ろしていくんだ

風呂上り
「わたしにも思春期くるかなあ」

まず服を着てから
話は聞こうか

犬と寝る布団はとても
心地いい
でもわたしの顔に
お尻を向けないで

パジャマのズボンに
手を入れて起きるのはやめて

夫に言ったら娘も同じだった

抜け殻がいちばん
愛されてるわたし

ごめんなさい！
  きな粉、、、！

ごめんなさい

呼びだせるオバケが多くて
愛されてたなって思うんだ

花の蜜はお酒
ここはどこかしら

ぼくの命日 人がしんだ
球体のロケットで
空は からんころんしてる

廃校舎でチャイム
ぼくら
虹色の魚の目玉に化けた

夕焼 けの飴 
ポリポ リしたら
かげがかけ て
帰れ ない 

忘れ物
自分のほんとの声

私しか聴いてない気持ちで書いた
ラジオの手紙
今日も読まれない

捨てられないレシートがあること
それだけがすべての恋も
あるだろう

おおきなトラの
代わりに
あなたを抱いて
寝てるの

ピンセットで
人の心の痛みが取れたなら、
私は常にそれを
持ち歩くだろう

大丈夫じゃない時の
言葉は、
何か温かい飲み物を
ください。

蓄積された愛しさは
蓄積された痛みには
敵わない
私の中の話。

言葉にするのが苦手なんだ と
そんな事すら 言えないなんてな

地球儀は
すこし傾いている
真実はすこしだけ
嘘くさいものだ

自分を人間だと
思い込んでいるイヌは
よそのイヌを見て
なにを考えるのだろう

剃れ
と言われるヒゲ
剃ったら
理由を訊かれるくらい
になるまで生やそうか

隠された真実
と
暴かれた秘密
のデュエットは
ひとを魅了する

だだっ子へ

ヘソは曲げても
信念は曲げるな

世界とは
ロープでも
おさらばできるが
ただカーテンを閉める
という手もある

一つ　わがままを言うならば
いいねも　かわいいも
全部　私への　ものになれ

どっちがいい
濃い抹茶と薄い抹茶
抹茶嫌いな君に聞く

ノーベル賞はとれないし
歌手にだってなれない
ほとんどみんな　同じこと

問十八：視線のベクトルを
成分表示せよ

トースターのつまみを
ゼロに持っていく時の音がいやだ

肉より骨のほうが愛せる

今日なら会いたい
マニキュアきれいに塗れたから

あなたとのパズルは
完成しなくていいの

ねぇねぇねぇねぇねぇねぇ
ねぇねぇねぇねぇねぇねぇ


毎回こころは新しいの

私の余白を
無理に埋めないで

君は心の蚊
刺されても、ムヒはない

「おはよう」で　
心が浮いて
私はリニアモーターカーになる

あなたの一分が
私の一秒で
私の一分が
あなたの一秒だったら
どうしよう

日曜の終電は
悲しい音が一致団結する

北斗七星の隣の星に
勝手に名前をつける
僕たちのゆりかご

消しゴムのお礼のメモ
初めて気づく
淡い想い

私の趣味
あだ名プレゼント　
街ゆく人も小鳥も野良犬も　
私の世界だけの名前

隣同士
金木犀は自分の匂いを銀杏と
銀杏は自分の匂いを金木犀と
勘違い

雪は何に感動して
あんなにピュアな白に変化したの

たまには月が嘘ついて
間違った帰り道を
照らしてくれてもいいのにな

「おはよう」で　 
心が浮いて 
私はリニアモーターカーになる

木の間から見える月 
風と私が 
運命を左右してる 
素敵な夜遊び

もうこの気持ちは　 
沈没船に積もう
地球の正反対の
見ず知らずの海の

私の趣味
あだ名プレゼント
街ゆく人も小鳥も野良犬も
私の世界だけの名前

繰り返す朝
布団から出て「私」着る

溶けてはじめて
　　　　　自由になるの春の雪

月光は故郷への道タオル干す

「好き」も「会いたい」も
　保温しないと冷めちゃうのに

末本転倒
さてこれで
正しくなったかというと
そうとも言えない？

泣きながらうずくまる
あなたの中の迷子の少年を
私が家まで送ってあげる

知れば知るほど
分からなくなって 
もっともっと
知りたくなる

疲れきった地球に
三日月が囁く
あいつの声を聴いて
答え合わせをしろと

僕が言えなかったのは
ひびの入った君が
どんな言葉でも
壊れる気がしたから

僕は自分の時間が欲しくて
言い訳を考え
君は見つからない物を
僕の中で探した

珈琲はニ杯までに決めてるって
一杯目は誰と？
いやそんなつもりじゃないけど

一緒に帰ろうよ
今日の話を聞きたいし
明日の約束したいから

僕が欲しかった自由は
昨日何してたのかを
尋ねられないことなんだ

喋り出した僕が
止まらないときは
どうしていいか
分からないときなんだ

どう？って言われた時
いっぱい浮かび過ぎて
選んでる間にも
増えているんだ

君のオハヨウが 
聞けた日は
太陽が二つになる

もう一度言ってって言われても
一度目と同じようには
言えないよきっと

人混みの誰もが
自分の主人公で
誰もが誰かの
通行人をしてる

今君に必要なのは
上質な睡眠と
くだらない無駄だ

ゴクリと言葉を飲み込んだから
一言多いというレッテルを
一枚はがせたと思う

川面を泳ぐ鳥たち
親鳥は振り返らず
先頭を行くって知ってた？

聞き分けが良くなった自分を
好きじゃないのは
聞き分けが悪いって事だね

かつて僕が聴かせた曲を
今夜は君が聴かせてくれた
同じなのに違って聴こえた

君が未来を知りたがるから
自販機にお金を入れてあげる
どれを押すかは自分で

思い出は過去の事なのに
稀に未来の出来事が
混じってたりする

君の声に驚いた雲が
君の大好きな
クリームパンになった

一瞬で一生分の
夢が見れそうな時
君はきっと
肩を叩いて
僕を起こす

あまりにもいい天気を
悲しく思うのは
自分を振り返ってるときだ

ピアノの音が
ぽつりぽつりと落ちる部屋で
寝転がって天井を見つめてた

コーヒーの香りが
部屋に溢れたら
窓を開けて春を誘おう

見上げた空は
じっと見つめていると
あんなに高いのに
落ちていきそうになる

昔のあるとき透明になっただけで
、きみ、息はやめていないよね。

仕事辞める辞める詐欺と
結婚するする詐欺が
何年も続いて今も同じ会社にいる

落ちたのは、煙草の灰と
冷たい指輪と、月の音色

藍色の空。
愛色の恋。
哀色の心。
会いたい気持ち。

この瞬間は忘れない
そう思ったことだけは覚えている

中途半端と言えば怒る人はいるが
それなりと言えば頷く人もいる

三軒向こうを駆ける野良猫に
一体いくつの名前があるのだろう

感情の匂いをたどられて
盲目と知ってから少し怖い犬

涙流しても声は殺して
強くなったわけじゃない
泣き方を忘れただけ

どうして声変わりするまえに
反抗期が来てしまうんだ
朝御飯の耳がさびしい

ノートのコピーは
蛍光ペンで優しさひかる

虫捕りの時も秘密基地の時も
一応不法侵入だった

ワケありの値下げシールを
見るたびに
個性を見失いそうだだだ

楽しみはいろいろあって結局は
炊飯器開ける瞬間がすき

百均で買った
ごわごわのほうきで
ご先祖らしきお墓を撫でる

喉仏の解説で
へぇと一斉に言う
課外授業みたいな納骨

五年前の私みたいな顔をして
人体模型が隅っこにある

つらい つらい
本心なのに食欲は減らず
おいしいたまごかけごはん

人生が濃厚になり今日もまた
今日のことばかり考えている

手を繫いで
眠ったはずなのに
いつのまにほどけて
しまったんだろう

誰が為に泣いたのだろう
舞う蝶の
脱いだサナギと知っていたのに

今あたたかな日差しの中で
暗闇を思い出している

体がちっこくなる
心もちっこくなる
人間のふしぎです
解体心書はまだ？

おかえりと言われたら
ただいまと言うしかない世界で

かわいいかわいいかわいい
かわいいって
言わなきゃ死んじゃう

スノーホワイト、

君が本物の雪ならば

毎年必ず会えるのに

大好きな君の誕生日
僕は自分の葬式で流すための
レコードを買った

誰もいなくなったこの星で、
最後の二人が死ぬところを
想像している。

無料で読めるところまでしか
君のことは知らないけれど
大好きだよ

正直に言おうかな
実はまだ喉に
刺さったままの青い三日月

これが最善の別れだと言うなら
一層のこと最悪をください

会いたい以外の感情が死ぬ金曜日

死ぬまでに必要な量の白昼夢

だらだらと延命治療をしてるのは
生まれた時からずっとそうかも

誤解だ
私にもドライブレコーダー
つけて下さい

月に住む君に
返事のない手紙を
送る

雛人形が眠る寝室は肌寒くて。

天空が迫りくる
シーズンごとの
流行りに便乗して
五月にエンジョイしよう

春待つ冬は、
鼓動を食べる。

隅っこにいるのは
いつも僕の気持ち

暇だったから、暇と遊んだ

もしも明日世界が終わるなら
世界が終わるまで長生きしたい

寝る食べる寝る食べる寝る寝る
僕の幸福

電子レンジの僕が、
温めた子猫の君を、
親猫が食べにくる。

はむはむ耳の、
ぺろぺろ目の、
ぽわぽわ頬の、
せくしーな君。

うなじ症候群、
ポニーテールを処方する。

発達障害の診断名は、
自分の名前よりもしっくりくる。

高級料理店に入り込み、
豪華なスープに落っこちた鼠。

光が届かないんじゃなくて
光が探せないんだ
君がいなくなったから

良い人だね優しいね
と言われる度に
僕は仮面を確かめて静かに笑う

二けたのたし算をならったのに
ともだちのかずがわかりません

君がリップクリーム塗る音に
ぬ
は要らない
るるる
るるるる

大丈夫一人で全然帰れます



ああひとりってこんなにひとり

さんかくのかけら
拾っていたらね
お星さまになったの。

夢、希望、愛・・・
僕が好きなのは
三組の真実(まみ)ちゃん

無言館
しかしあの絵は雄弁に語る
無言館
誰があなたの舌を抜いた

あの人の心臓を
語尾にぶら下げて歩き続ける

手になじまない万年筆で
今日を細かく切り刻む

時間の止め方　検索
二月の昼

特別なものに埋もれて暮らしたい
ミントクレープに差し込むやえば

傘の骨もろくてクリスマスツリー

夏へ向かう時にこころを横切った
鳥に名前を付けてください

マッキーで「夏」と書いた
親指の付け根に
夏は滲み始めて

手の内を明かさずにいる立葵

丸まった背中に骨を浮かしつつ
君が学んでいる博物誌

立つための足で
あなたが立っている
　雪原
あなたという冬の骨

ホームランバー
当たるまで食べまくる
友達がしている片思い

手で作る蝶をゆっくり崩すとき
まぼろしの夏草が光った

八月の
ふたりっきりの夕暮れに
つり革がいっせいに傾く

生まれたら人間でした
蹴とばした
いろはすみかんがゴミ箱に入る

隕石のかけらと言って渡されて
あのラスク
ずっと食べられなかった

集めたら花束になるものとして
君から春の手紙が届く

眼帯の隙間から冬
逃げられない

泣きながらポン・デ・リングを
ひとつまみずつ
放り込む夜のはじまり

さよならの
｢さ｣の音が嫌
流れ星

曇天に頭ぶつかるぶどうがり

終点で立ち上がるまで冬の星

雨降る町で
懐かしさの
花見
スイセンの涙が
一滴の活力

数列がクサビになって
白紙を彩る
世の一般項は
デタラメばかり

二つの飛行機雲が
交わって浮く
「譲り合い」の
バスの中

年越しからは逃げられないよ
新年は時を越え
宇宙の闇から
やってくるんだもの

年越し免れた人
挙手  ノノノ

ぶらんこでいいまるをかく
夕べ
　　　　いるかがきている

透明に
ういるす啼いた

また啼いた

或る闇でコロナカムイの羽根拾う

【黒魔術クラブ】
のビラの貼ってある
メタセコイアのつむじの冬陽

アフラン・ワ・サフラン、
と発音できず声帯のあたりの砂嵐

弓を引くようにひらいた
長傘を濡らして
おとなしく歩きだす

こうもりの数え方ってなんだっけ
恋人というながいて遊び

上瞼限界可動領域の2/3に
光、
つつしみ

夕顔の花濡れている朝の露
君のデスマスク作ると決めた

学部長
あーーーー蚊柱につっこんで
遠近法は不滅の光

可視光線スペクトラムが漲って
夕映え、
三千世界見ている

レポートを出して駅まで歩く夜の
おそらくあれは二つめの月

レポートを出して駅まで歩く夜の
おそらくあれは二つめの月

雪ちぎりあって
揺れない銀のピアス

雪の降るたびに睫毛に魚うまれる

水瓶にしずむ譜面よ笹井の忌

冬の鹿役の
子がとおくを見てる

あるだけの鈴を抱えて春の海

冬の星
松屋に行くかいま死ぬか

団地というさみしい楽器春の宵

入学の、豆腐のような教室に

死にたての小鳥の
ようなホッカイロ

遠足にコウテイペンギンはいない

早逝の一族
春の野を過ぎる

だぼだぼのたましいを着て
凧あげる

疲れた体深く息をとる
あなたからの手紙を閉じるように
ゆっくり空をしまおう

値引きのトマト
傷口から夏の匂い隠せない

生煮えの金魚 
鎮痛剤を鱗が拒絶するならば
愚かな空を水面から
ユルリと刺せ

野良猫の消えかけた 
縞模様に 
ひどく共感する空は巨体

ささくれをシンシンと名付け
冬の暮

横顔が飼ってる犬に似てたから

内臓を想像できないまま死ぬ

火でも沸く電気でも沸く水　無傷

水でみたすための器でない体

塩舐めて海になる　体は眠ってる

パキラが
水を吸ってくれて
助かる

くるぶしまでしか
海を知らない

ピンで街を
刺さないと留められない地図

わたしたち陶器みたいに遺族です

犬ではない。
半透明じゃないからね

よろこんで棺に顔を刺繍する

あんみつを額に乗せて悲しそう

「先方が不死身になればいい話」

春は曙
目覚めて公園の便所

「ふともも」という語感に

　火をつけてみる

もっと



あとずさりすれば全部見えるよ

たたみいわしが怖い
視線が多すぎる

風呂上り
「わたしにも思春期くるかなあ」

まず服を着てから
話は聞こうか

卒業式やるんだって！と
帰宅した
サヨナラホームラン打った
ような顔で

砂糖壺の夢をみて遅刻

家族がなくて
手袋を愛している

抜け殻がいちばん
愛されてるわたし

ああこめつぶ おちたわ
 人生おわんないかな

ひろいたく ない

夕焼 けの飴 
ポリポ リしたら
かげがかけ て
帰れ ない 

句点で終わる感情が
肺を回遊し続けていて、

捨てられないレシートがあること
それだけがすべての恋も
あるだろう

木が
林になり
森になるグラデーションの
奥地に
闇の起源がある

ねぇ、ママ
イチゴのつぶつぶ
取って

ばんそうこう貼り直す気持ちで
チャイムを鳴らした

トースターのつまみを
ゼロに持っていく時の音がいやだ

試験管に
雪をつめる化学者のむすめ

わたしさっきまでのことを
押さえつける文鎮です

夜が来る、
おまえの名を呼ぶたびに。

ひなげしまだ燃えて夕日

海ばかりみていて四月