四階の 私の足元まで全部 染まって わたしも夕焼けになる
閉じかけた 朝顔の花の色の濃く いつでも 死んだ人ばかり思う
好きな歌を 君に教えてしまうとき 窓を開いて聞く風の音
人の優しさに 触れたら死にたくなる 雲とまじって 消える飛行機
透明な海月になって 青空を 漂って 雨、 ふらせてみたい
薄明の空は葡萄の皮の色 わたしはたぶん世界にいらない
美しいものが好き 製氷皿の 氷の 奥の 銀河の中の蚊
絵日記の 終わりのような日の午後だ 二人で閉じた朝顔数え
ひまわりは 人間のようで 怖くなる いつか必ずくるさようなら
かぎ針で レースを編んでゆくように あなたを好きな 理由を重ねる
神様を信じることを 母の死で やめて 夜空の星は水銀
向日葵が頭を垂れる 夕焼けに あやまりたかったこと、 思い出す
TLに友人の死の報告のあり Twitterの果てにある海
女の子 採用しないやつばかりいて 雲の峰は触れたら気体
サボテンの花がひらけば してもない約束ばかり考える朝
純白の躑躅ばかりが植えられて 病院へ続く道の静けさ
夭逝の友の生まれ変わりだと 信じつつ待つ月見草の花
梅雨寒に去った友人思い出す 東北のまだ咲かない紫陽花
ピーマンの育つスピード 故郷に戻ってはじめた 暮らしに馴染めば
梅雨曇り これからのことを思うとき 眼差しの色に欲しい青色
卒業式の幻にふる 桜花 頭を撫でられた 気がして振り向く
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