誰とでも居られる君といる聖夜
0個の蜜柑が炬燵に置かれている
グーグルに生きる理由を問えば冬
凍蝶のまま風に転がっていく
黄落は隙間だらけね呼気吸気
絶望の夜を空気清浄機と居る
花散って散って 散っても散りきれぬ
活断層が静かに眠る町吹雪く
ピンセットで秋思を集める男
賀状なきポストにピザのチラシ
工房に木屑まみれの手よ時雨
半減期あの冬星が消える頃
曼珠沙華同じ背丈で眠くなる
ていねいに生きて津波は家を飲み
木の家の闇の重さに湯冷めして
龍が冬夕焼浴びをしている
クリスマス帽かぶっている肉屋
読初のギリシャ神話も神多く
危篤の報空港染める冬日差
まだ吹雪く研究室に君と居る
初雪が悲しい音をして積もる
初雪と鞄の妊娠検査薬
寒の雨素直な彼を許さない
重力と机が桃に尻与え
林檎を投げたら太陽にぶつかった
寒の雨 ばりばりと噛むチョコレート
もう一度生まれてきてよ冬銀河
彼女の手編みマフラー付けてる父
春光に瞳孔閉じてゆく痛み
たんぽぽが無邪気に 摘まれるように死はきっと
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