明け方の街を見捨てて歩きだす
鉄塔をエッフェル塔と言う 君の世界はとても広く小さい
街中の青をのこして夜明け前 始発ひとりで靴紐結ぶ
傷跡になってしまったピアス穴
北風の通る道から染まってく
からころと噛んだ飴玉 目を閉じて パイン風味の皆既月食
剥製のクマがこちらを覗くので
溜息を集めて明日の雪にする
大切に育てたかった傷跡も あかぎれが上書きしていった
流星をのみこんで君、空を這う
木枯らしと踊る真白のスニーカー
引き出しの中に南極 教卓の前 ハシモトのとこはジャングル
百人の死にたい私を慰める
告白ができてないから いつまでも 変な筆箱のやつのままだ
自動販売機あったか〜い前線
いとしごになりそびれたの 紅白の体液棄てて海にいこうか
死に遅れカブトを庭に埋めてやる
白墨を食べてあなたを騙しても
見えるものしか信じられないと 言う人の心住み着いてる人
君の大好きな結論から言うと もう一緒には居られないのよ
吊革の揺れる反対方向に 君の住んでる町があります
君のこと思い出すたび爪を切る
叶うならベテルギウスの消滅の光 ふたりで看取りたいんだ
ムラサキ科 ネモフィラ ウタタネ ニドネモフィラ
クドリャフカ 片道切符でむかうのは 二時間おきに朝が来る場所
月のない夜に こっそりラーメンを 食べる友達専用窓口
サヨナラの夜 君の背の星の数 おぼえておこう、忘れるまでは
お祈りのようゆでたまご剥く殻が バラバラになりませんように、と
挨拶を交わすカラスの真ん中に 居させてもらう火曜日の僕
ゴミ捨て場 優雅に座り 収集車待つ君のこと拾えずにいる
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